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テディ・ライリーの『私をジャクソン通りに連れてって』



 Teddy Riley, a man of vizion, will show you the way to go...




Teddy Riley presents TAKE ME TO THE JACKSON STREET

Show You The Way To Go (1996) - Men Of Vision
Backstreet Intro / Can You Feel Me (1999) - Blackstreet feat. Shaquana Elam
Girlfriend/Boyfriend (1999) - Blackstreet feat. Janet Jackson, Eve, Ja Rule
She (1989) - The Jacksons
Remember The Time (1991) - Michael Jackson
Ghosts (1997) - Michael Jackson
Jam (1991) - Michael Jackson feat. Heavy D
Can’t Let Her Get Away (1991) - Michael Jackson
Hollywood Tonight (2010) - Michael Jackson
Monster (2010) - Michael Jackson feat. 50 Cent
Why You Wanna Trip On Me (1991) - Michael Jackson
Blood On The Dance Floor (1997) - Michael Jackson
2000 Watts (2001) - Michael Jackson
Dangerous (1991) - Michael Jackson
No Diggity [Billie Jean Remix] (1996) - Blackstreet
Breaking News (2010) - Michael Jackson
In The Closet (1991) - Michael Jackson
She Drives Me Wild (1991) - Michael Jackson
Right Here [Human Nature Extended Remix] (1992) - SWV
Why, Why (2003) - Blackstreet
I Get Lonely [TNT Remix feat. Blackstreet] (1998) - Janet Jackson
Heaven Can Wait (2001) - Michael Jackson
Joy [New Carnegie Mix] (1995) - Blackstreet
Someone Put Your Hand Out (1992) - Michael Jackson
Don’t Walk Away (2001) - Michael Jackson
Whatever Happens (2001) - Michael Jackson feat. Carlos Santana
Take Me There [Remix] (1999) - Blackstreet feat. Mýa, Mase, Blinky Blink
2300 Jackson Street (1989) - The Jacksons

All tracks produced or remixed by Teddy Riley


 コロナ禍がなければ4月22日~26日に大阪・東京・横浜のビルボードライブで来日公演を行っていたはずのテディ・ライリー。さすがに彼も暇らしく、今月2日には“Teddy’s House”と題して自宅スタジオからブラックストリートのメンバーたちと無観客コンサートをストリーミング配信したり、先日20日にはインスタライブでベイビーフェイスとプロデューサー対決(オンラインで互いの制作曲を聴かせ合って戦う)を繰り広げ、家から出られない世界中の音楽ファンを楽しませてくれた。

 そんな彼の姿勢に刺激を受け(?)、私も気合いを入れてひとつ新たなプレイリストを作成。テディ・ライリーが制作したマイケル・ジャクソン作品+ジャクソン・ファミリー関連音源を集大成した『Take Me To The Jackson Street』。これまで一度も編纂されたことがない(Spotifyでプレイリストも作られていない)、ニュー・ジャック・スウィング時代のMJに焦点を絞った画期的なアンソロジーである。全28曲、2時間16分。このプレイリスト案を今まで思いつかなかったのが我ながら不思議で仕方ない。

 テディ・ライリーが制作したMJの全曲に加え、同じく彼が手掛けたジャクソンズの2曲(ランディの歌唱曲「She」とジャクソン家総出の「2300 Jackson Street」)、J5~ジャクソンズ~MJ楽曲をカヴァー/サンプリング/引用したブラックストリートやメン・オブ・ヴィジョン(テディが手掛けたR&Bグループ)の曲、ジャネットとブラックストリートの共演曲など、ジャクソン家と何らかの関連があるテディ制作曲をほぼ完全網羅している(ジャネット「Go Deep」リミックスのみ除外。マイケルの隠し子説があったB・ハワードは無視。抜けがあったらごめんなさい!)。『Dangerous』のボツ曲をブラックストリートで取り上げた「Joy」(マイケル共作。キース・スウェット「Make It Last Forever」似の名曲)は、オリジナル版ではなく、後の『Invincible』のミディアム~スロー曲とも通じるリッチなストリングス入りの“New Carnegie Mix”で収録。同じく『Dangerous』のアウトテイク「Someone Put Your Hand Out」(’92年にペプシの販促で出回ったレア曲。後にMJ箱『The Ultimate Collection』に収録)と、ブラックストリート客演のジャネット「I Get Lonely」リミックスの2曲のみ残念ながら現在Spotifyで聴くことができない(前者はグレーアウト。後者はSpotify上に存在しないが、ローカルファイルで一応プレイリストには入れてある)

 プレイリストの選曲・曲順はいつも真剣に考えるが、このMJアンソロジーはこれから自分が一生聴き続けられるものにしたかったので、特に気合いを入れて考えた。プレイリストの曲順を考えることは、ジグソーパズルを組み立てる作業とよく似ている。何千万という音源の中から必要なピースを選び出し、それらを組み立てていく。何も考えずに並べると単なる音の集まりだが、きちんとハマるよう各ピースを丁寧に組み合わせると、最後にひとつの“絵”が出来上がる。曲順には必ず“正解”というものがあって、そう確信できるまで諦めずに試行錯誤を繰り返すことが大事である。このMJアンソロジーに関しては、28個のピースを正しく組み合わせることができたと思っている。

 本記事冒頭の画像は、音のパズルを組み立てて最終的に浮かび上がった“絵”を実際に視覚化したものである。ジャクソン通りとブラック通りは交わっている。ブラック通りを歩いていけば、必ずジャクソン通りに行き着く。ここで言う“ブラック通り”というのは、単にひとつの音楽グループの名称ではなく、テディ・ライリーが生んだニュー・ジャック・スウィング、および、それに派生する(ヒップホップに対応した)’90年代のR&Bサウンド全般を意味する。テディ・ライリーがこの幹線道路を敷いたからこそ、ジャクソン通りは’90年代になっても寂れることがなかった。

 このプレイリストのマイケル・ジャクソンは、“キング・オブ・ポップ”でもなく、愛と平和の人でもなく、ほとんど純度100%のR&B歌手である。ここには理屈抜きにただひたすらヤバかっこいい、あの無敵のマイケル・ジャクソンがいる。どこを取ってもデンジャラス。どう聴いてもインヴィンシブル。ダンスフロアに滴る血。ビリー・ジーンは俺の恋人じゃない! ……聴きながら私は何度も震え、目頭が熱くなった。’90年代以降のマイケルにとってテディ・ライリーのビートこそが生命線だったことはもちろん、マイケルに対するテディの敬愛の念もひしひしと伝わってくる。とにかくカッコいいMJが聴きたい、という人は是非どうぞ。






 ……それにしても、「Whatever Happens」。『Invincible』の最大の不幸は、このMJ史上屈指の名曲がシングルカットされなかったことだとつくづく思う。



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