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クエストラヴの朝まで生プリンス



 ご存じの方も多いと思うが、クエストラヴが4月16日(木)〜19日(日)の4日間にわたってプリンスをテーマにしたDJプレイ動画を生配信した。誰もが知る有名曲から、誰も知らないようなプリンス人脈曲、カヴァー版、レア音源まで、様々なプリンス関連音源をお喋りつきでまったり延々とプレイしていくという、筋金入りのプリンス・マニアらしい濃密な内容だったのだが、そこで彼がどんなコレクターも持っていない──同時に、プリンス・マニア以外のリスナーも驚愕させる──超ウルトラ・レア音源をかけた。それを聴いて私は飲んでいたコーヒーを吹きこぼしてしまった。


Questlove_P1.jpgQuestlove_P2.jpg
Questlove_P3.jpgQuestlove_P4.jpg
4/16/2020 (9pm est) - COVERS & PRODUCTION
Producer/Songwriter/Conceptualizer/Creative: covers/crew/samples/et al
4/17/2020 (9pm est) - DANCE museSick
The Cannon
4/18/2020 (3pm est) - A Purple High
Everythang But The Purple Sink (favs/weird stuff/odd n even stuff)
4/19/2020 (7pm est) - Live!
Live Gems

 クエストラヴのプリンス・ミックスは上記の日程と内容で生配信された(彼のインスタツイッターの告知に基づく)。1日目はプリンスの制作・提供曲、プリンス・ファミリーの曲、他のアーティストによるプリンス楽曲カヴァー、プリンス音源をサンプリングした曲など、プリンス本人の作品ではなく、もっぱらその周辺を掘るくそマニアックな内容(初日からこれかよ……)。“DANCE museSick”と題された2日目は、アップテンポのダンス・ナンバーを中心にした王道プリンス特集。3日目はプリンスの隠れた名曲や珍曲などを中心にした“紫のあれやこれ”。4日目はプリンスのライヴ音源特集。

 1日目が約5時間、2日目が4時間半、3日目が3時間、4日目が5時間という長さで、全部合わせると18時間くらいある。やる方も大変だが(ちっとも大変そうに見えないが)、聴く方も大変である。





 配信映像はYouTubeでアーカイヴ公開されている。さすがに18時間も付き合いきれないので、とりあえず私は初日のDJセット約5時間分のみをざっと通しで聴いてみた。トラックリストはSpotifyでRichard Edgingtonというユーザーによってプレイリスト化されている。Spotifyにない音源もたくさんプレイされているので、かなり抜けはあるものの、このプレイリストと照らし合わせながら聴くと分かりやすい。

 様々なプリンス周辺音源が流れるこの初日のセットで、クエストラヴはどさくさに紛れてディアンジェロの未発表音源を流している。私がコーヒーを吹きこぼしたのはこれだ。

 まずは、ディアンジェロ&ザ・ルーツによるプリンス「Pop Life」のカヴァー。これは’13年3月7日にニューヨークのカーネギーホールで行われた〈The Music of Prince〉というプリンスのトリビュート・コンサート用に録音されたデモ音源。ザ・ルーツは様々なアーティストが参加したそのコンサート(プリンス本人は不在)の箱バンで、ディアンジェロはそこにトリとして出演した。「Pop Life」はディアンジェロの演奏曲ではなく、同コンサートでシティズン・コープ&アリス・スミス夫妻が歌った曲。クエストラヴの話によると、事前にシティズン・コープから「Pop Life」のアレンジを一緒に考えてくれないかと協力を求められ、D&ザ・ルーツが彼らのためにデモを録音した。シティズン&アリスはそれを聴いたが、結局、本番ではアコギ一本のアコースティックなアレンジで同曲を歌うことにした(YouTubeでその断片映像が見られる)。クエストラヴはそのときボツになった「Pop Life」のデモ録音をこのDJセットの中で流しているのである。衝撃のD版「Pop Life」は配信動画の54分37秒から登場する。これ、ヤバいだろ!

 もうひとつは、ディアンジェロ&ザ・ルーツによる「It’s Gonna Be A Beautiful Night」「1999」のメドレー・カヴァー。上記のトリビュート・コンサートでのライヴ演奏だが、観客の声がほとんど聞こえない、いかにもライン直録りという感じの超高音質音源。ほとんど完コピと言っていいくらいのDのなりきりプリンスぶりが凄まじい&微笑ましい。音源をかけながら“俺たちスゲー!”と自画自賛するクエストラヴ。演奏に合わせて彼がリアルタイムでかますディレイ等のエフェクト処理も聴きものだ(普通に聴かせて欲しい気もするが)。白熱のD版「It’s Gonna Be A Beautiful Night」「1999」は配信動画の4時間33分42秒からたっぷりフルで聴ける。

 D&ザ・ルーツによるプリンス・メドレーの後、1日目の締めとして最後にビラル&ザ・ルーツによる「Sister」のライヴ音源が流される(4時間47分55秒から)。これはカーネギーホールでの件のコンサートの前日、ニューヨークのクラブ&レストラン、City Wineryで披露された演奏。ビラルも〈The Music of Prince〉の出演者の一人だった。ぶっ飛んだアレンジと、Dとはまた違ったプリンス憑依ぶりが聴きものだ(YouTubeに公式動画あり。このビラル、小島よしおに見えて仕方ない)










 2日目、3日目、4日目の動画&プレイリストもついでに埋め込んでおく。2日目の動画は音源の権利関係の問題でブロックされた模様(一応埋め込んであるが、現在再生不可。ちらっと聴いたが、「Dirty Mind」〜「Thieves In The Temple」の繋ぎが見事だった。有名曲が多い分、ミックス自体に力を入れている印象)

 いつ消えるか分からないので、ファンにはディアンジェロのレア音源だけでも聴いておくことをお勧めする。


追記(2020.04.25):



 改めて確認してみたら、4月21日(命日)にプリンス特集の5日目をやっていた。最後はスロージャム特集(3時間半)。動画のサムネイルに使われているのは、前日の夜にインスタグラムで生配信されたテディ・ライリー vs ベイビーフェイスのオンライン対決(互いの制作曲を交互に聴かせ合って戦う)の画像。みんな暇だな……。



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