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The Purple Experience



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The PURPLE Experience: Songs with PRINCE vibes

 今日はプリンスの命日ということで、彼に因んだ入魂のプレイリストを紹介。’99年以降に発表されたプリンス影響下の様々な曲を集めた『The PURPLE Experience: Songs with PRINCE vibes』。

 プリンスは世界中のミュージシャンに多大な影響を与えているが、中でも意識的にプリンス風の意匠を取り入れた、一聴して“プリンス!”と分かるオマージュ曲の類を中心に選んだ。ケイレブ・ホーリーのようなマニアックなフォロワーの曲から、マーク・ロンソン「Uptown Funk」のような有名アーティストのよく知られた大ヒット曲まで幅広く網羅している(カヴァーやプリンス・ファミリー/プリンス人脈の曲は除外。似ていて当たり前なので)。これらの曲の大半は、チープなシンセとドラムマシンを使った’80年代前半のプリンス作品──いわゆるミネアポリス・サウンド──の強い影響下にあり、プリンスがいなければ間違いなくこの世に存在していなかった作品である。プリンスがいかに以後のポップ・ミュージックに影響を与えたか、また、彼のサウンドがいかに特徴的・個性的なものだったか、そして、彼がいかに多くのアーティストからリスペクトされているか、このプレイリストを聴くとよく分かると思う。

 今年1月末に作成し、現時点で計75曲、5時間17分の大作になっている。前半は比較的軽めの作品が中心で、後半に進むにつれて濃いアーティストの濃い曲が登場する。一応、区切りをつけると、ドーン・リチャード「Hey Nikki」までが前半で、ネイオ「Another Lifetime」からが後半。前半には遊び駒も混じっているが、後半では真性(だと私が考え、強い信頼を置いている)アーティストの強力曲──将棋で言うと飛車や角級の強力駒──をガンガン使っているので、おいしいところだけ聴きたいという人は、ネイオ「Another Lifetime」から聴き始めるといいかもしれない(前半にも良い曲はたくさんあります!)

 収録対象を’99年以降の作品に絞ったのは、その頃からプリンスへのオマージュ曲がちらほら出始め、(特に’80年代の)プリンス再評価が始まったと思われるからである(それ以前にもTLCジニュワインマライア・キャリーらによる’80年代プリンス作品のカヴァーはあったが)。発音不能の記号に改名していたプリンスが、“プロデューサー”という名目ながらプリンス名義を復活させたのも’99年だった。長く音楽ファンをやっていると実感するのだが、ポップ・ミュージックの流行というのは大体20年周期で繰り返す。10年前のサウンドは古いが、20~25年も経つと逆に新しく感じられるのである(特に若い世代には)。’80年代サウンドのリバイバル現象は、’00年代初頭のダフト・パンクやフランツ・フェルディナンドあたりから始まり、レディー・ガガが大ブレイクする’10年前後の数年間をピークに起きた(今もしつこく続いている)。ミュージシャンの間での’80年代プリンス再評価や、プリンス自身のアーティストとしての復調、および、過去の作風への回帰もこれと完全に同期したものだった。このプレイリストは、そうした“時代がひと回りしたあとのプリンス再評価”に焦点を合わせたものである。

 収録曲の中で唯一の例外は’98年9月発表のカーク・フランクリン「Revolution」(ロドニー・ジャーキンス客演/共同制作)。曲名だけ見ると’80年代プリンスへのオマージュ曲のようだが、音は完全に’90年代のNPG状態で、しかも、他の収録曲のようにプリンスにオマージュを捧げた曲ではない(まあ、意識はしているだろうが)。これは音楽性にゴスペルとファンクという共通項を持つがゆえの偶然にして必然的な類似であって、他の収録曲とは性格が異なるのだが、あまりにも強力な擬似プリンス曲ゆえ特別枠で冒頭に収録することにした。『The Gold Experience』における「P. Control」的な挨拶曲としてお楽しみいただきたい。

 曲順には細心の注意を払った。私はこのプレイリストをひとつの組曲のように構成するべく努力した。プリンスに対する色んなアーティストの色んな思いがつづれ織りになった紫の組曲。この思いがある限り、プリンスはいつまでも生き続けるのである。


※プレイリストからベック「Debra」(1999)を外した。元々「Uptown Funk」の次に入れていたのだが、本記事投稿の際、通しで聴き返してみてこの曲に違和感を覚えた。プリンスっぽいと言われる曲だが、ちょっと違う気がする(曲調は「Adore」よりむしろデヴィッド・ボウイ「Win」に近いし、ベックのファルセット歌唱にはプリンスのような甘美さがない)。個人的にベックのファンでないせいかもしれないが……好きな人は悪しからず。



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