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I say a little prayer





 I Say A Little Prayer
 (Bacharach/David)
 
 The moment I wake up
 Before I put on my makeup
 I say a little prayer for you
 While combing my hair, now
 And wondering what dress to wear, now
 I say a little prayer for you
 
 朝 目が覚めて
 お化粧をする前
 あなたのためにささやかなお祈りをする
 髪をとかしながら
 何を着ようか考えているとき
 あなたのためにささやかなお祈りをする

 Forever, forever, you'll stay in my heart
 and I will love you
 Forever, forever we never will part
 Oh, how I'll love you
 Together, together, that's how it must be
 To live without you
 Would only be heartbreak for me
 
 永遠に 永遠に 心に抱いて
 愛し続ける
 永遠に 永遠に 離れることなく
 想い続ける
 共に 共に それがさだめ
 あなたなしで生きるなら
 私は悲嘆に暮れるだけ
 
 I run for the bus, dear
 While riding I think of us, dear
 I say a little prayer for you
 At work I just take time
 And all through my coffee break-time
 I say a little prayer for you
 
 バスに飛び乗り
 揺られているとき 二人のことを考え
 あなたのためにささやかなお祈りをする
 仕事の合間
 コーヒーで休憩しているときも
 あなたのためにささやかなお祈りをする
 
 Forever, forever, you'll stay in my heart
 and I will love you
 Forever, forever we never will part
 Oh, how I'll love you
 Together, together, that's how it must be
 To live without you
 Would only be heartbreak for me
 
 永遠に 永遠に 心に抱いて
 愛し続ける
 永遠に 永遠に 離れることなく
 想い続ける
 共に 共に それがさだめ
 あなたなしで生きるなら
 私は悲嘆に暮れるだけ
 
 My darling believe me
 For me there is no one but you
 Please love me, too
 This is my prayer
 Answer my prayer now, baby
 This is my prayer
 Answer it right now, baby
 Say you love me, too
 This is my prayer
 
 信じてちょうだい
 私にはあなたしかない
 愛してちょうだい
 これが私の祈り
 祈りに応えて
 この祈りに
 応えてちょうだい
 愛してると言って
 これが私の祈り


 アレサ・フランクリンを私が初めて知ったのは'80年代半ば、小学生の頃にテレビの洋画劇場で観た『ブルース・ブラザース』だったと思う。あるいは、もしかすると深夜の洋楽番組で目にした「Jumpin' Jack Flash」のMVだったかもしれない。『ブルース・ブラザース』に出ていた豪快で威勢のいいオバちゃんが、ものすごい大物歌手であるらしいということは、'87年春、ジョージ・マイケルとのデュエット曲「I Knew You Were Waiting (For Me)」がヒットした頃には、子供なりにきちんと分かるようになっていた。

 とはいえ、私にとってアレサ・フランクリンはしばらくの間、単なる“大物歌手”でしかなかった。彼女のすごさを実感と共に初めて私が認識したのは、音楽リスナーとしてもう少し成長した頃のことである。私を打ちのめした彼女の歌は、「Respect」でも「I Never Loved A Man」でも「A Natural Woman」でもなく、とあるラウンジ系コンピに収録されていた「I Say A Little Prayer」(1968)だった。

 「I Say A Little Prayer」は、愛する人のことを日々想い続ける女性の心情を歌ったラヴ・ソングである。但し、アレサの歌唱には普通のラヴ・ソングには感じることのできない想いの深さが滲んでいて、それが聴き手の心を激しく揺さぶる。この深みや力強さは一体何なのかと言えば、これがラヴ・ソングと同時にゴスペル・ソングになっているからだろう。彼女が歌いかける“あなた”は、愛する人と同時に神様のことを指していて、それがこの歌に尋常でない深みやスケールを与えている。ハル・デヴィッドがこの歌詞を書いた背景にはベトナム戦争があるが(主人公の“私”は出征した男の無事を祈っている)、アレサは神に向かって直接歌いかけることで、主人公の祈りをより普遍的で深いものにした。バカラックが書いたメロディを丁寧に小気味よく歌うオリジナル歌手のディオンヌ・ワーウィックに対し、アレサの歌唱は決められたメロディから逸脱し、どこまでも(天までも)飛翔していく。音符をなぞるのではなく、まるで自分の感情の起伏をそのまま音に落とし込んでいるようだ。なんという生々しさだろう。

 アレサの「I Say A Little Prayer」を聴くと、いつも涙が出る。いったん曲が終わりかけ、再びサビになだれ込むところでジワッと来て、アレサの“Ever!”の一声を聞いた瞬間、ドワッと涙が溢れ出る。何度聴いても泣いてしまう。天まで届くような歌声が人の心に届かないはずがない。彼女の歌はゴスペルであり、ソウルであり、ポップでもある。本当に素晴らしい普遍的な名曲、名唱だと思う。そして、祈るというのはなんと人間的な行為だろうかと思う。シャーデー「Cherish The Day」の“This is my prayer”の一節もここから来ていると私は信じている。

 女王の冥福を心から祈ります。



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