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Reggae Philharmonic Orchestra──お嬢ミニー



 英レゲエ・バンド、スティール・パルスの最初期メンバーだったマイケル・ライリーが率いたレゲエ・フィルハーモニック・オーケストラ。彼らのデビュー曲は、映画『ブルース・ブラザース』でもお馴染みのキャブ・キャロウェイの代表曲「Minnie The Moocher」(1931)のカヴァー。

 '88年当時、この曲のMVを〈ベストヒットUSA〉で視聴したときの衝撃は忘れがたい。スカ〜レゲエの飄々としたオフビートとストリングスの優雅な調べ、レゲエと言うよりはR&B的なマイケル・ライリーの甘美で鯔背な歌声、随所に登場するブルージーなジャズ・サックス、そして、スタッフ・スミスやステファン・グラッペリを彷彿させる終盤の粋なバイオリン・ソロ。すべてが新鮮でカッコ良かった。いま聴いても最高だと思う。

 一昨日、ビルボードライブ東京で行われた“21世紀のハイディホー・マン”=マセーゴの来日公演は、楽団員わずか2名(!)にもかかわらず、レゲエ・フィルのこのMVと同じくらいゴージャスで、洒脱で、くそカッコ良かった。




 Minnie The Moocher
 (Cab Calloway/Irving Mills/Clarence Gaskill)
 
 I'm gonna tell you about Minnie the Moocher
 She was a real good hoochie-coocher
 She was the roughest, toughest frail
 But she had a heart as big as a whale
 
 お嬢ミニーの話をしよう
 彼女の悩殺ダンスは天下一
 手に負えないじゃじゃ馬だったが
 心はクジラのようにデカかった
 
 Hi De Hi De Hi De Hi (Hi De Hi De Hi De Hi)
 Ho De Ho De Ho De Ho (Ho De Ho De Ho De Ho)
 Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee (Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee)
 Hi De Hi De Hi De Hi (Hi De Hi De Hi De Hi)
 
 ハイディハイディハイディハイ(ハイディハイディハイディハイ)
 ホーディホーディホーディホー(ホーディホーディホーディホー)
 ヒーディヒーディヒーディヒー(ヒーディヒーディヒーディヒー)
 ハイディハイディハイディハイ(ハイディハイディハイディハイ)
 
 She had a thing with a bloke called Smokey
 She loved him although he was cokey
 He took her down to Chinatown
 And showed her how to kick the gong around
 
 彼女はスモーキーって野郎とデキてた
 ヤク中の男を愛しちまった
 チャイナタウンへ連れられて
 アヘンの味を覚えたよ
 
 Hi De Hi De Hi De Hi (Hi De Hi De Hi De Hi)
 Whoaaaaah (Whoaaaaah)
 Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee (Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee)
 Hi De Hi De Hi De Ho (Hi De Hi De Hi De Ho)
 
 ハイディハイディハイディハイ(ハイディハイディハイディハイ)
 オォォォォォォッ(オォォォォォォッ)
 ヒーディヒーディヒーディヒー(ヒーディヒーディヒーディヒー)
 ハイディハイディハイディホー(ハイディハイディハイディホー)
 
 She had a dream about the King of Sweden
 He gave her everything she was needin'
 Gave her a house made of gold and steel
 A diamond car with platinum wheels
 
 夢に見るのはスウェーデンの王様
 欲しいものを何でもくれる男
 奴は金ピカの豪邸を建ててやり
 ダイヤの車も与えてやった
 
 Hi De Hi De Hi De Hi (Hi De Hi De Hi De Hi)
 Ho De Ho De Ho De Ho (Ho De Ho De Ho De Ho)
 Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee (Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee)
 Hi De Hi De Hi De Ho (Hi De Hi De Hi De Ho)
 
 ハイディハイディハイディハイ(ハイディハイディハイディハイ)
 ホーディホーディホーディホー(ホーディホーディホーディホー)
 ヒーディヒーディヒーディヒー(ヒーディヒーディヒーディヒー)
 ハイディハイディハイディホー(ハイディハイディハイディホー)
 
 Gave her his town house and his racing horses
 Each meal she ate was a dozen courses
 She had a million dollars worth of nickels and dimes
 And sat around and counted them all of the times
 
 奴は自分の別荘と競走馬も貢いだ
 彼女の食事はいつも豪奢なフルコース
 100万ドルの硬貨を積み上げて
 年中そいつを数えてた
 
 Hi De Hi De Hi De Hi (Hi De Hi De Hi De Hi)
 Ho De Ho De Ho De Ho (Ho De Ho De Ho De Ho)
 Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee (Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee)
 Hi De Hi De Hi De Ho (Hi De Hi De Hi De Ho)
 
 ハイディハイディハイディハイ(ハイディハイディハイディハイ)
 ホーディホーディホーディホー(ホーディホーディホーディホー)
 ヒーディヒーディヒーディヒー(ヒーディヒーディヒーディヒー)
 ハイディハイディハイディホー(ハイディハイディハイディホー)
 
 Hi De Hi De Hi De Ho (Hi De Hi De Hi De Ho)
 Whoaaaaah (Whoaaaaah)
 Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee (Hee Dee Hee Dee Hee Dee Hee)
 Hi De Hi De Hi De Ho (Hi De Hi De Hi De Ho)
 
 ハイディハイディハイディホー(ハイディハイディハイディホー)
 オォォォォォォッ(オォォォォォォッ)
 ヒーディヒーディヒーディヒー(ヒーディヒーディヒーディヒー)
 ハイディハイディハイディホー(ハイディハイディハイディホー)
 
 Poor man! Poor man! Poor man!
 
 哀れな男! 哀れな男!


■上掲の歌詞はレゲエ・フィルハーモニック・オーケストラ版。オリジナルのキャブ・キャロウェイ版と部分的に言い回しが異なるが、大意は同じ。但し、キャブ版の歌詞は、“Poor man, poor man, poor man(哀れな男)”ではなく、“Poor Min, poor Min, poor Min(哀れなミニー)”と締め括られ、金とクスリに溺れたミニーの不幸な末路を暗示している。

■“moocher(たかり屋)”は、ここではハスラー(ストリートのヤクザ者)に養われている女のこと。“ヒモ”の逆は日本語で何と言うのだろう。“愛人ミニー”、“妾のミニー”という訳が近いと思うが、拙訳は結局、戦前のSP盤時代に付けられていたというこの曲の邦題「お嬢ミニー」(名訳!)に倣った。

■MVの最後に登場するバイオリン・ソロ(メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲が引用される)は、音盤(アルバム/シングル)ではアコースティック・ギターのソロに差し替えられている。

Cab Calloway - Minnie The Moocher [1931 original recording]
Cab Calloway - Minnie The Moocher [1942 soundie] 必見



RPO2.jpgRPO3.jpgRPO4.jpg
The Reggae Philharmonic Orchestra (1988)
Time (1990)
Marley Classics (1991) featuring I-Threes & Courtney Pine


 レゲエ・フィルハーモニック・オーケストラは、レゲエとストリングス・アンサンブルを合体させたユニークなサウンドで話題を呼んだユニット。Islandに計3枚のアルバムを残した。「Minnie The Moocher」の他、映画『カサブランカ』の主題歌「As Time Goes By」の斬新なカヴァーも含む1stは、レゲエ、R&B、ジャズ、クラシック等がエレガントかつ歪に混じり合った摩訶不思議な傑作(煮込み足りないシチューみたいな音だが、そこがまた良かったりする)。R&B〜ラヴァーズ・ロック色を増してより現行クラブシーンに接近した2nd、アイ・スリーズとコートニー・パインを迎えてボブ・マーリー作品を丁寧にカヴァーした3rdも良い。彼らのストリングスは、ソウル・II・ソウル、チャイムズ、マキシ・プリースト、オマーといった当時のUKアーティストたちにも重宝された。短命に終わったが、UKらしさに溢れた忘れがたい名ユニットだ。


RPO5.jpg
RPOのシングル「Minnie The Moocher」と、マセーゴがビルボードでばらまいた1000ドル紙幣

 ちなみに、マセーゴはバイオリンも弾けるそうです(「I Do Everything」参照)



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