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エバ・ジェルバブエナ『アイ!』@オーチャードホール



 エバ・ジェルバブエナの来日公演を観た。
 
 私の音楽ファン人生に破壊的な衝撃をもたらした'14年3月の『泥と涙』から3年半、エバ・ジェルバブエナ舞踊団の待望の再来日。彼女の舞台を観てすっかりフラメンコにヤラれてしまった私は、その後、ロシオ・モリーナ('14年4月、'15年11月)、マリア・パヘス('15年4月)、サラ・バラス('15年9月)、アンダルシア・フラメンコ舞踊団('15年9月)、パロマ・ファントーバ('17年6月)の公演に足を運んだ('16年はイスラエル・ガルバンの公演が怪我で中止になったり、個人的にフラメンコから離れていたせいで何も観ず)。フラメンコの人気舞踊団は大体2〜3年くらいのスパンで来日するので、これで一巡したような感じもある。どれもそれぞれに素晴らしかったが、個人的にはやはり一番最初に観たエバ・ジェルバブエナの公演の感動が最も強く、他の現代フラメンコ・アーティストたちをいくつか生で観た上で、改めて彼女の凄さを確認したいと私はずっと思っていた。

 前回と同様、今回もエバは2つの演目を携えて来日した。オーチャードホールでの東京公演2日間のうち、初日の'17年9月16日が『アイ!』、2日目の9月17日が『仮面』。私はもちろん両方観た(『アイ!』は1階席13列目、『仮面』は10列目で鑑賞)。先に結論を言ってしまうと前者の方が遙かに良かったのだが、この2つは全くタイプの異なる作品で、それぞれに面白さがあった。まずは圧巻の『アイ!』から。


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アイ!
¡Ay!
演出/振付:エバ・ジェルバブエナ
音楽監督:パコ・ハラーナ
出演:エバ・ジェルバブエナ(バイレ)、パコ・ハラーナ(ギター)、アントニオ・コロネル(パーカッション)、ジョナタン・レジェス、アルフレド・テハーダ(カンテ)、ウラジミール・ディミトリエンコ(バイオリン)


 『アイ!』は'13年3月にロンドンで初演されたエバの近年の代表作。踊り手はエバ一人、後はミュージシャンと歌手のみが出演するミニマルな作品で、舞踊団の公演と言うよりは、エバのソロ公演と言った方が近いかもしれない。

 パンフレットに載っているインタビューを読んで後から知ったことだが、『アイ!』は彼女自身の妊娠に触発された作品。'12年5月にエバは41歳10ヶ月という年齢で2人目の娘を出産した。無事に出産を終えるまで、外の世界と接触を絶っていた13ヶ月間の様々な感情を、フラメンコを通して表現したのが『アイ!』だという。彼女はこう説明する。

「お腹に赤ちゃんがいて、自分が抱いているいろいろな感情をシェアしたいと思ってもできない、長くて孤独な時間……。それを舞台作品にして、ダンサーとして踊って観客とシェアする。それは他の人にはできないことだと思いましたし、その空間にいるダンサーは私だけであるべきでした」(『¡AY! アイ!』日本公演パンフレット)

 タイトルの“¡Ay!”は、英語で“Oh!”、日本語で“ああ!”に当たるスペイン語。『アイ!』は、妊娠という経験に基づいた私的な作品であると同時に、言葉にならない様々な感情を、動き、音、イメージによって表した極めて詩的な作品でもある。以下、日本公演パンフレットに掲載されている志風恭子さんによるシーン別解説も参照しながら、『アイ!』のパフォーマンスを振り返ることにしたい。


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Susurro ささやき

 オープニング。バイオリンが奏でる不穏なトレモロの響きと共に、真っ暗なステージ中央に一条のスポットライトが真上からゆっくり照らされ、黒いドレスを着たエバがその中を一人静かに横切っていく。一度暗転すると、すぐにまた同じ光景が現れる。スポットライトの位置は変わらないが、エバは消えたときとは別の位置から光の中を横切る。画面がフェイドアウトした後、一瞬の黒みを挟んで、同じエバを別角度から捉えた映像がフェイドインしてくるような感じだ。これが何度も繰り返される。この冒頭場面はちょっと映画的であると同時に、方向感覚が消失し、どこを歩いているか分からないような不思議な印象を与える。

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 暗闇の中を夢遊病者のように歩く上記の場面がたっぷり5分ほど続いた後、バイオリンのトレモロが激しくなり、それと同期して、光の中に佇むエバの両腕が震え出す。やがて彼女の背後にカンタオール(男性フラメンコ歌手)が一人現れ、悲壮なバイオリンの演奏と共に歌い始める。エバは両腕を様々な方向に激しく突きだしながら、もがき苦しむような奇妙な舞いを見せる。上半身が傾斜したフラメンコ独特の鋭い回転(ブエルタ)に続けて、横に向かって物を放り出すように両手を広げる動きが印象的だ(上の画像参照)。バイオリンの演奏とカンタオールの歌は激しさを増し、エバも両手で身体を叩いて音を出したり、サパテアード(足を踏み鳴らすフラメンコの動き)で感情を表現する。孤独感や不安、悲痛さが強く漂う第1場。“メロディではなく感情を表現するため”に初めて取り入れたというバイオリンの響きが素晴らしい緊張感を生んでいた。


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De medio lado 斜めに

 ステージ右側に置かれた木製の奇妙な椅子──ピサの斜塔のように全体が傾いている──の傍で、エバが身体を横に傾げてクルクルと回転する。同じ音をトレモロのように細かく刻み続けるギターの響きがアンビエント的で面白い。エバは椅子の背もたれの枠から反り返って顔を出したり、背もたれに乗って四肢を広げたりする(本記事トップ画像参照。公演フライヤーにも使われた印象的な場面)。終盤ではエバが椅子の上でサパテアードを踏む。椅子の後ろにはパーカッショニストが立ち、クラベス(拍子木)で背もたれを叩いてエバと共にリズムを奏でる。エバとパーカッショニストの椅子を介した二人羽織的な位置関係や、エバが限られたスペースでサパテアードを踏むところは、『アフェクトス』でロシオ・モリーナとロサリオ・ラ・トレメンディータの2人が見せた傑作ナンバー「Chiribi Chiribi」をちょっと思い出させる。

 実際に公演を観ているときは想像もしなかったが、作品のモチーフが高齢出産だということを後から知って、この第2場は“子宮”(=不安定な椅子)と“胎児”(=奔放に動き回るエバ)を表しているのかもしれないと思った。エバとパーカッショニストが奏でる力強いビートは、胎児と母親の鼓動だろうか。違うかもしれないが……。


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Ni contigo ni sin ti 一緒も嫌、いないのも無理

 第2場が終わると、エバが椅子の下にあったスカート、ショール、バラの花を身につけ、ステージ左側へ移動。この第3場では、それまでのコンテンポラリー・ダンス的な雰囲気は消え、踊り・演奏共に伝統的なフラメンコが披露される。曲種はタンゴ(アルゼンチン・タンゴとは異なる)とブレリア。このパフォーマンスは、妊娠・出産という点を考えると、それを乗り越えようとするエバの強い意志や、女性としての根源的な力を表しているようにも思える。これはさすがに熱かった。

 踊っている最中、エバの髪に挿してあった赤いバラが床にポトリと落ちた。赤いバラはそのまま拾われることなく、その後、第6場までずっとその場にあり、色彩を排したモノクロのステージにちょっとしたアクセントを添えていた。

 また、この第3場の名称“Ni contigo ni sin ti”(With or without you)が、今年3月のブイカの来日公演で披露され、彼女の最新EP『Para Mí』にも収録されたマンサニータ(スペインのフラメンコ・ポップ歌手)の'80年発表曲と同じであるのが興味深い。マンサニータの同曲と第3場で歌われた曲は異なるが、曲種はどちらもタンゴ・フラメンコである。もしかして、マンサニータの同曲は伝統的なフラメンコの歌詞に基づいたものなのだろうか?


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Nana y Café 子守唄とカフェ

 エバ、カンタオール、バイオリニストの三者によるパフォーマンス。カンタオールとバイオリニストがステージ左右に向き合って立ち、エバはステージ中央奥のテーブルで悲嘆に暮れたような様子でコンテンポラリー風のダンス・パフォーマンス──テーブルに突っ伏したり、仰向けになったり──を見せる。パンフレットの解説によると、この第4場は故ピナ・バウシュへのオマージュだという。第1場でも演奏していたバイオリニストのウラジミール・ディミトリエンコは、ここで初めて観客の前に姿を見せた。

 ここで歌われた子守唄は、カウロス・サウラ監督の映画『フラメンコ・フラメンコ』のエバのパフォーマンス場面で使われていたものと同じ。そこではギター伴奏でミゲル・ポベダが歌っていたが、今回の公演ではアルフレド・テハーダという歌手がバイオリンの伴奏で歌った(※上の画像は過去の公演。歌手は別人)。これが素晴らしい。失った恋人への想いを歌ったと思しき哀切な歌詞とメロディもさることながら、何とも言えない滋味と郷愁を感じさせるアルフレド・テハーダの朗々とした歌声が私の胸に深く刺さった。彼の声質や節回しにはちょっと独特なクセがある。バイオリンの伴奏で歌われたこの子守唄は、フラメンコと言うよりは、コプラ('30〜'50年代のスペインの大衆歌謡曲)に近い趣があり、それがディープなフラメンコ・ファンではない私の好みに合ったのかもしれない。バイオリンの音色も、コンテンポラリー色の強いエバの舞台の重厚な雰囲気に完璧にマッチしていた。過去にバイオリンを使っていなかったというのが信じられないほど。エバのテーブルが中央から真っ二つに割れ、パフォーマンスが劇的な幕切れを迎えた瞬間、私はほとんど反射的に拍手をしていた。この第4場の感動は忘れがたい。


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Barro 土塊

 ジェンベ、ギター、パルマ(手拍子)の高速ビートで始まる第5場。エバがステージ中央で猛烈なサパテアードを踏む。ここでの彼女の振付は、コンテンポラリー・ダンスとフラメンコが合体したような独特なものだった。エバがカンタオールの歌とサパテアードで対話する場面も。第1場にも通じる張り詰めた空気と、先の見えないドラマチックな曲展開に息が詰まりそうになる。

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 この第5場には、第1場でも見られた振付──横に向かって物を放り出すように両手を広げる動き(上の画像参照)──が登場していた。気を溜めて鋭く放出するようなこの振付は、今回の公演の中でもとりわけ印象深いものだった。


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Entre Cajas バックステージ

 第6場では、それまでずっと出ずっぱりだったエバがバックステージに下がり、ギターとカホンの演奏でカンタオールの歌がたっぷりフィーチャーされた。『アイ!』の過去公演には3人のカンタオールが出演していたが、今回の来日公演に参加したのはジョナタン・レジェス(写真左)とアルフレド・テハーダ(右)の2人。メジャー調の明るい伴奏に乗って、レジェス、テハーダの順にステージ中央でソロ歌唱を披露した後、最後に2人揃って歌う。第4場〈子守唄とカフェ〉で素晴らしい歌声を聴かせたテハーダは、ここでも見事な歌いぶり。終盤では目の覚めるような物凄い高音を響かせた。レジェスはテハーダよりも骨太な歌声だが、この人も素晴らしい。この第6場の最中、第3場でエバが床に落としてそのままになっていた赤いバラを、レジェスとテハーダのどちらか(忘れた)が拾い上げ、胸に挿した場面も印象に残っている。2人の熱唱には観客も大喝采だった。

 気になって終演後に調べてみたら、2人とも最近、新宿のガルロチで歌っていた。ジョナタン・レジェスはヘスス・カルモナのグループ('16年10月17日〜'17年1月17日。レジェスの参加は12月10日まで)、アルフレド・テハーダはラ・ルピ&アルフォンソ・ロサのグループ('17年4月24日〜5月7日)の一員として来日。ガルロチはやはり凄い店だと改めて痛感。


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Alas negras 黒い翼

 クライマックスとなる第7場。チリン、チリン……と微かにベルの音が響く薄暗いステージに、腰をかがめて赤いマントン(大判のショール)と黒いバタ・デ・コーラ(裾の長いフラメンコ・ドレス)の裾を引きずりながら、後ろ向きにエバがゆっくりと登場。厳かなギター伴奏とカンテに乗って、マントンを大きな翼のようにはためかせて妖艶に舞う。演奏はシギリージャという高速12拍子の曲に突入し、エバはカホンと共にサパテアードで猛烈なビートを繰り出す。身を翻しながら縦横無尽にステージを動き回り、バタ・デ・コーラの長い裾を生き物のように操るエバの姿には、一人の女性を超越して魔物じみた妖気すら漂う。終盤ではバイオリニストも加わって出演者全員が一丸となり、15分にも及ぶ最終ナンバーは、乱れ打ちのような凄まじいリズムの応酬で締め括られた。

 一度下りた幕が上がると、エバを中心に6人の出演者が横一列に並んで観客に挨拶。言うまでもなく、場内は割れんばかりの拍手喝采である。前回の『泥と涙』のときは皆大人しく座って拍手していたが、今回は(少なくとも私のいた1階席に関しては)きちんとスタンディング・オベーションが起きた。そういうときでもエバは表情を緩めず、観客に対して真摯に感謝の意を示していた。最後まで凄い。本編86分+カーテンコール5分、合わせて91分の公演だった(アフタートークは無し)


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傾斜した椅子の上でエバが踊る『アイ!』の代表的な場面

 3年半前の『泥と涙』のときに較べると、今回は遙かに落ち着いて鑑賞できた。前回は私にとって初めて体験する生のフラメンコの舞台で、見るもの聴くもの、すべてが新鮮で衝撃的だった。ステージで何が起きているのかさっぱり理解できず、最初から最後までずっと圧倒され、興奮と感動で打ち震えていたのだが、今回は何が行われているのかある程度分かった。衝撃は弱まったが、その分、私は彼女の舞台から前回とはまた違う深い感銘を受けた。

 先述の通り、『アイ!』はエバ自身の妊娠に触発された作品だが、実際にパフォーマンスを観る限りではそうとは全く分からない。ステージに具体的に赤ん坊や子宮を想起させるイメージが登場したり、心臓の鼓動音や、出産や生命について語るエバのモノローグが流れるといった演出は一切ない。モノクロを基調としたミニマルなステージ上で、すべての感情は抽象化され、普遍的な詩の次元にまで高められていた。男性の私には妊娠や出産がどのようなものか肉体的に分からないが、エバがそこで感じたという孤独や不安、恐れといった感情自体は、性別や年齢に関係なく誰にでも共有できるものだ(作品名の“Ay”というスペイン語が、日本語で“愛”を示すことをエバは知っているのだろうか?)

 エバはフラメンコの枠を越え、コンテンポラリー的な自由な身体表現を交えながら、様々な感情をリアルに観客に伝える。同じくフラメンコの枠に留まらないパコ・ハラーナ(エバの夫)によるリリカルなギター演奏や、僅か2場の活躍ながら作品全体のムードを決定付けたバイオリンの響きも印象深い。エバが優れたフラメンコ演者であることはもちろんだが、単なるスペインの土着文化としてではなく、そこから全く独自の舞台芸術を作り上げている点に私は何より深く感動した。他のフラメンコ演者たちを観て改めて彼女の舞台に触れると、その表現の独創性や鋭さがよく分かる。最早“フラメンコ”という言葉を使うことさえ躊躇されるほどだ。

 ニーナ・シモンは自伝の中で、ラングストン・ヒューズが“素晴らしい黒人詩人だ”と呼ばれて傷ついたという話を引き、“ラングストンは素晴らしい詩人だった。そこで文章は完結すべきである。肌の色とは関係なく、彼という人間が評価されなければならないのだ”と書いた。エバの舞台を観て、私はそれと同じようなことを思った。エバ・ジェルバブエナを“フラメンコ舞踊家”と呼ぶべきではない。彼女は素晴らしい舞踊家だ。そこで文章は完結すべきである、と。

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アルフレド・テハーダの1stアルバム『Directo』(2015)

 しかしながら、感動はそこで完結しない。今回の公演で個人的に大収穫だったのは、カンタオールのアルフレド・テハーダ Aldredo Tejada。タップダンス経由でフラメンコのファンになった私は、これまであまりカンテに興味がなかったが、彼の歌を聴いてカンテも良いなと思った。にわかフラメンコ・ファンの私には誰の歌声もカマロンのように聞こえて仕方ないのだが、テハーダの歌は、私のイメージする一般的なフラメンコ歌手のそれとは一味も二味も違うものだった。彼の歌声や節回しには日本の民謡や演歌にも通じる親しみやすさと、同時にオペラを思わせるような端正さがあった。カマロンを野性味溢れるジャック・ブレルだとすると、テハーダの歌い口は明朗で洗練されたスコット・ウォーカーに近い……と書くと余計に分からなくなるかもしれないが、ともかく、彼のカンテは私の好みにピタリと合った。調べてみると、彼は'15年に『Directo』というソロ・アルバムを発表している。YouTubeでプロモ動画を視聴すると、やはり素晴らしい。これは何とかCDを入手したいところだ(今年4月にガルロチへ行けば本人から買えたのだろうが……)

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ロシオ・モリーナ『アフェクトス』、第2場の「Chiribi Chiribi」

 ひとつ細かいことを書くと、『アイ!』にはロシオ・モリーナ『アフェクトス』を彷彿させる点がいくつかあった。『アフェクトス』は『アイ!』の半年前、'12年10月にバルセロナで初演された作品('15年11月、来日公演)。先述した第2場〈斜めに〉の二人羽織的なパフォーマンスと椅子上サパテアード(ロシオは平べったい箱の中でサパテアードを踏んだ)の他、ステージ上に四角いスポットを作り出す照明や、椅子とテーブルのある“部屋”=私的な空間を舞台にしたインティメイトなパフォーマンスが似ている。『アフェクトス』は、ロシオ(バイレ)、ロサリオ・ラ・トレメンディータ(カンテ、ギター)、パブロ・マルティン・カミネロ(コントラバス)の三者がそれぞれ対等に音で対話を繰り広げるまた違う舞台だったが、もしかすると『アイ!』は『アフェクトス』から多少影響を受けているかもしれない。エバとロシオの作家性には以前から近いものを感じていたので、この類似は納得のいくものだった。

 ロシオの『アフェクトス』は'14年にライヴDVDが発売されているが('17年に日本版も発売)、残念ながらエバの舞台を家で手軽に鑑賞することはできない。エバは自分の舞台を映像に記録することにあまり興味がないのか、これまで彼女のまともなライヴ映像がDVD発売されたことは一度もない。エバの商品化されたパフォーマンス映像と言えば、サラ・バラス共演のドキュメンタリー『フラメンコ・ウーマン』(1997)、パーカッション集団ストンプの映像作品『ストンプ・オデッセイ〜リズムは世界を巡る〜』(2002)、カウロス・サウラ監督『フラメンコ・フラメンコ』(2010)、あとは若い頃の映像が少しあるくらいではないだろうか。サラ・バラス、マリア・パヘス、ファルキート(弟のエル・ファルーが間もなく来日、ホアキン・コルテスといったフラメンコの有名舞踊家たちはいずれも素晴らしいライヴDVDを出しているが、なぜかエバだけ出していない。身体が切れを保っている今のうちに、後年まで参照されるような決定的な映像作品を残してもらいたいものだ。


エバ・ジェルバブエナ『仮面』@オーチャードホールへ続く


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エバ・ジェルバブエナ来日公演 2017
【東京公演】
9月16日(土)16:00開演 『¡AY! アイ!』
9月17日(日)15:00開演 『Apariencias 仮面』
Bunkamura オーチャードホール
S席13,000円/A席11,000円/S席2演目セット券24,000円
【兵庫公演】
9月20日(水)19:00開演 『¡AY! アイ!』
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
A席10,000円/B席8,000円/C席6,000円/D席4,000円/E席3,000円






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