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Lianne La Havas @ Sofar Sounds Tokyo 2017



 '17年9月21日(木)、渋谷クラブクアトロで80分間の素晴らしい弾き語りパフォーマンスを披露したリアン・ラ・ハヴァス。そのショウについては改めて書くとして、今回はその前日の9月20日(水)、彼女が東京の自由が丘で参加したソファーサウンズのイベントについて──私は実際に行ったわけではないが──紹介することにしたい。渋谷クラブクアトロでの単独公演の他に、今回の来日でリアンはもう1本ライヴをやっていたのである。彼女がそのイベントに出演することは、関係者以外、事前に誰も知らなかった。


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Sofar Sounds Tokyo vol.16──会場内の貼り紙

 ソファーサウンズ Sofar Sounds は、'09年にロンドンで始まった音楽イベント。コンサートホールやクラブのような商業施設ではなく、個人宅のリビングルームなどに数十人程度の観客を集め、親密な空間で数組のアーティストの生演奏を楽しんでもらうというのがそのコンセプト。知り合いなどを集めて開く内輪のホームコンサートを、そのまま公的な音楽イベントにしたような感じだ。“Sofar”という名称は、レナード・コーエンのアルバム名『Songs From A Room』に因むという。ソファーサウンズは現在までに世界350以上の都市で開催され、日本でも'14年3月から現在まで年4回ほどのペースで行われている。YouTubeで多くのライヴ動画が公開されているので、ご存じの方も多いだろう(私が贔屓にしているタチさんベルゲンロンドンのソファーサウンズに出演)

 '17年9月20日のソファーサウンズは“Give A Home Project”と題され、アムネスティ・インターナショナルとの共催で世界200都市、60ヶ国で同時開催されるチャリティー目的の特別なものだった。リアンが参加したのはその東京版。私は翌日の21日にインスタグラムやツイッターで彼女の出演を知り、大変に驚いた。

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Sofar Sounds Tokyo vol.16 の出演者たち

 リアンが参加した9月20日のソファーサウンズ・トーキョー(第16回)は、写真家のヴィンセント・ホアン Vincent Huang 氏の自宅である自由が丘のロータスカリックス・スタジオ Lotuscalyx Studio で行われた。出演者は登場順に、Michael Kaneko(写真右上)、Sawako with Daisuke Miyatani(左上)、The Passage feat Nobby(右下)、リアン・ラ・ハヴァス(左下)の4組。出演者を示す場内の貼り紙には、リアン以外の日本人アーティスト3組の名前しか記されていない。リアンはサプライズ・ゲストだったのだ。

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開演の挨拶をする家主のヴィンセント・ホアン氏(右)

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インティメイトすぎる空間(ここにリアン登場って……)

 そもそもソファーサウンズ自体、秘密性やサプライズ性の強いイベントである。イベントに誰が出演するかは当日まで観客には分からない。出演者が事前に分かると来る人が限定されてしまうし、リアンのような有名アーティストが出るとなれば、ファンが殺到するからだろう。参加希望者は事前にメール登録をし、その中から抽選で数十名がイベントに招待される。会場の場所も前日まで通知されないという。誰が出るかは当日のお楽しみ、というわけだ。このイベントには、あまり知られていないアーティストを音楽ファンに紹介するという目的もある。参加費は無料だが、イベント終了後、観客の間に帽子が回され、そこに自分の好きな金額を入れるという投げ銭制が採られている(現場実費として使われるそうだ。今回はアムネスティへの募金が応募条件になっていた)。基本的に非営利イベントなので、運営もボランティアで成り立っている。めちゃめちゃDIYなイベントだ。

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「I Say A Little Prayer」を歌うリアン

 ある程度事前に決まっていたのか、急遽飛び入りしたのかは分からないが、リアンはこのソファーサウンズ・トーキョーに参加し、4年前の来日に触発された自作曲「Tokyo」や、クアトロでも大盛り上がりだったアレサ・フランクリン「I Say A Little Prayer」他、ギターの弾き語りで数曲を歌った。観客数、僅か40人。スゴい。体験できた人が羨ましすぎる。

 このイベントにボランティアとして携わっていたタイ人の女の子──リアン・ラ・ハヴァスの大ファン──が、この夜の感動をリアンとの記念写真つきでインスタに投稿している。彼女の興奮と感動は想像に余りある。どれだけ嬉しかったことだろう。

 クアトロでもつくづく思ったが、リアンは本当に素敵な女の子だ。十分に大スターになった今でも、ちっとも飾ったところがない。

 決して自慢するわけではないが(と断って軽く自慢するのだが)、4年前、ビルボードライブで行われた前回の初来日公演の際、終演後にあったサイン会で、私はリアンと直に接する機会があった。その晩、彼女は自作の「Au Cinema」とメドレーでスティーヴィー・ワンダー「Master Blaster」を歌った。それはスティーヴィーの曲の中でも私の大のフェイバリットで、しかも彼女がレパートリーにしていることを事前に知らなかったので、私はそれにえらく感動した。CDにサインを書いてもらったとき、“「Master Blaster」ありがとう。びっくりした”と言うと、“オー、イエー!”と言いながら彼女は満面の笑みで自ら握手の手を差し出してくれた。そのときの屈託のないフレンドリーな印象は、今でもまったく変わらない。ソファーサウンズのような小さなイベントで歌っても、彼女は違和感なくハマってしまう。そういうところがつくづく良いなと思う。彼女はスターではなく、本当に純粋な“ミュージシャン”なのである。



 リアンは今年の2月23日にロンドンのソファーサウンズにも出演している。上の動画はそのときの「Midnight」(クアトロ公演の感動が蘇る)。ソファーサウンズ・トーキョーのパフォーマンスも撮影されているはずなので、YouTubeでの動画公開を期待したいところだ。



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