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Masego──母に捧げるバラード



 '16年S.A.D.E.大賞受賞者のマセーゴ。最近発表された彼の2つの新曲が素晴らしいので紹介しておきたい。




 ひとつは、ヨーロッパを中心に世界中のインディー系ブラック・ミュージックを紹介しているベルリン発の音楽サイト、Colors Berlinのスタジオ・ライヴ動画シリーズ〈A Colors Show〉で披露された「Navajo('17年4月10日公開)。同シリーズの特徴であるパステル・カラーを背景にした空間で、ジャジーなヒップホップ・トラックに乗ってマセーゴが生歌を聴かせる。くそカッコいい。“サックスは家に置いてきたから、こいつで……”と言いながら、首飾りの小さなサックスを口にくわえてスキャットするあたりも最高だ。

 ビートルズ「Michelle」のアカペラ・カヴァー音源をサンプリングしたジャジーなトラックは、ジャマイカ、キングストン(マセーゴの出生地でもある)JLLというトラックメイカーが'14年にSoundCloudで発表した「I Love You」という曲をそのまま使用したもの。マセーゴはそこにヴォーカルとサックスを乗せ、これを見事な歌モノにした。その「I Love You」があまりにもカッコいいので、JLLの他の作品をチェックしてみると、ジャズとレゲエとヒップホップをベースにしたナイスなトラックがいくつも出てきた。シャーデー「The Sweetest Taboo」を元にした「Taboo」なんて曲まである。

 シャーデー・ネタと言えば、マセーゴはかつて「Oxygen」(2014)という自作曲で「Cherish The Day」をサンプリングしている(“If you were mine”と“I breathe your air”の部分)。シャーデーとマセーゴの間には、いずれ何か繋がりが生まれそうな気がして仕方ない。もしシャーデーが彼を前座にしてツアーに出るようなことがあれば、私は世界の果てだろうと観にいく。

Mommas_Boy.jpg
マセーゴと彼のお母さん

 もうひとつの新曲は、つい先日、5月14日の母の日にSoundCloudで発表された「Momma's Boy」。ギターとエレピを使ったトラップ+ジャズ風味の素朴なトラックに、マセーゴのラップ調の歌とサックスが乗った2分ちょっとのメロウな小品だ。

 1番で“あなたは本当に大切な人なんだ(I want you to know that you are really precious)”と歌い、2番で母親への称賛の言葉を並べる(Intelligent, beautiful, wise, wealthy, driven, driving eyes, shining, inspiring, powerful, heavy walking, world traveling, advice giving, loving, leading, woman of God)”。“Momma”を連呼するサビのメロディは途方もなく美しい。タイトルの“Momma's boy”は、いわゆる“マザコン”の意味である。“お母さん、大好き!”という彼の素直な気持ちがストレートに伝わってくる名曲だ。このシンプルさと人懐こさはどうだろう。シャーデーとスティーヴィー・ワンダーが合体したような無敵のバランス感覚ではないか。

 マセーゴ、やっぱり最高である。早く次のアルバムが聴きたい!


追記('17年6月19日):
 「Navajo」は'17年6月8日(マセーゴの24歳の誕生日)にスタジオ録音版が正式にシングルとしてリリースされた。また、マセーゴはその一週間後に急遽来日し、3月にRCAから1stアルバム『At What Cost』を発表したワシントンDC出身の新鋭ラッパー、ゴールドリンクの初来日公演(6月16日深夜、サウンド・ミュージアム・ヴィジョン)に飛び入り参加した。'15年11月にSoulectionから出たゴールドリンクの2ndミックステープ『And After That, We Didn't Talk』に、彼はアンダーソン・パックと共に客演していた(6曲目「Late Night」)。




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