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山口百恵 ザ・ベストテン DVD BOX 発売!!!

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「ザ・ベストテン」30周年 ホリプロ創業50周年 特別企画
 ザ・ベストテン 山口百恵 完全保存版 DVD BOX

 あの幻の歌番組「ザ・ベストテン」が…
  伝説の歌姫・山口百恵が… 共に復活!!
   ~全12曲・全122回ランクインを網羅!~

 
 2009年12月16日発売 ¥24,990(税込)[¥23,800(税抜)]
 発売元:TBS 販売元:TCエンタテインメント株式会社



 昨日10月8日の朝日新聞朝刊でこの広告を見てぶっ飛んだ。山口百恵の〈ザ・ベストテン〉ランクイン全122回分を網羅した5枚組DVDボックスが12月に発売されるというのである。大興奮のあまり鼻血が噴出し、私の手にしていた新聞はそのまま「プレイバック Part 2」のセットのごとく真紅に染まったのだった。


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久米とタマネギおばさんに挟まれ絶体絶命

 〈ザ・ベストテン〉は、'78年1月19日から'89年9月28日まで、TBSにて毎週木曜夜9時に生放送されていた1時間のテレビ番組。司会は黒柳徹子と久米宏。かつて芳村真理と井上順が司会を務める月曜夜のフジテレビ〈夜のヒットスタジオ〉と双璧をなした伝説の歌番組である。

 百恵の〈ザ・ベストテン〉出演は、番組放送2回目の'78年1月26日「赤い絆」(第8位)から、'80年9月25日「さよならの向う側」(第10位)まで。今回のDVD『ザ・ベストテン 山口百恵』に収録される122回の放映分は“全ランクイン”なので、スタジオや中継で生出演して歌った回はもちろん、歌唱パフォーマンスが行われなかった回まで含まれている(談話だけの中継生出演、過去の番組映像を使用したVTR出演、あるいは、スタジオに来ていながら時間が押した都合で歌えなかった場合もあった)。

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 DVDに収録される〈ザ・ベストテン〉映像は以下の12曲/全122週分。
 
DISC 1:「赤い絆」(5週分)「乙女座宮」(10週分)+特典映像
DISC 2:「プレイバック Part 2」(15週分)「絶体絶命」(11週分)
DISC 3:「いい日旅立ち」(14週分)「美・サイレント」(10週分)
DISC 4:「愛の嵐」(13週分)「しなやかに歌って」(9週分)「愛染橋」(6週分)
DISC 5:「謝肉祭」(9週分)「ロックンロール・ウィドウ」(10週分)「さよならの向う側」(10週分)

 例えば、百恵が〈ザ・ベストテン〉で「さよならの向う側」を歌ったのは'80年9月25日の1回だけだったりするのだが、このDVDには他のランクイン9週分まで収録されているのである。これは凄すぎる。
 しかも、今回のDVDには、〈ザ・ベストテン〉放送開始以前、百恵が〈ザ・ベストテン〉の前身番組〈トップスターショー〉に出演した際の映像も特典収録されるという(DISC 1に収録)。「横須賀ストーリー」「夢先案内人」「イミテイション・ゴールド」「秋桜」といった〈ザ・ベストテン〉で歌われなかった代表曲がそれで補われる。

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 〈ザ・ベストテン〉映像がソフト化されるだけでも画期的だが、“ベスト・オブ~”的な中途半端な特選映像集ではなく、完全網羅をコンセプトにしたところが嬉しい。今は購買層を絞り込んでマニアックな商品を売るのが当たり前の時代なので、これは当然の措置だと思う。出すならコンプリートしかない。きちんと空気を読んだこの商品を、すべての百恵ファンはスタンディング・オベーションで迎えるだろう。値段は24,990円だが、私は10万でも喜んで買う(それがなんと、今なら某有名ネット通販サイトで18,493円で予約注文できてしまう! 別の有名サイトではなんと17,612円! こんなに安くていいのか?!)。

 百恵に限らず、〈ザ・ベストテン〉の映像がソフト化されるのは初めてのこと。〈夜のヒットスタジオ〉はCSで再放映されているので、現在でも受信環境さえあれば楽しめるが、〈ザ・ベストテン〉はTBSの特別番組で時折断片が紹介される程度なので、今回のソフト化は大事件だ。今後、他の歌手でも同様の企画が実現されるのかは分からないが、出演回数と商品の需要を考えた場合、全ランクイン/出演回を網羅した全集DVDが実現できるのは山口百恵(と沢田研二)くらいかもしれない。

 この『ザ・ベストテン 山口百恵』DVD全集には、実はちょっと面白い伏線がある。
 百恵の引退から10年以上経った頃、TBSプロデューサーの山田修爾が、百恵にテレビ出演を依頼したことがあったという。その際、彼は〈ザ・ベストテン〉ランクイン全122回の中から彼女のすべての出演場面を4日間徹夜で編集し、手紙に添えて、その〈ザ・ベストテン 山口百恵全集〉のビデオテープを百恵本人に贈呈しているのだ(山田修爾・著『ザ・ベストテン』/ソニー・マガジンズ/2008)。今回のDVD全集の映像(約7時間)は、それを商品化したものということになる。

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 ……と、ここまで書いておいて何だが、実は、私は個人的には〈ザ・ベストテン〉よりも〈夜のヒットスタジオ〉の方が好きだったりする(おいおい)。

 〈夜のヒットスタジオ〉は原則的にフル・コーラスで歌が披露され、招かれる歌手の顔ぶれも多彩で、色んないい歌を聴くことができた。特に素晴らしかったのはカメラと照明で、毎回とても生放送とは思えない質の高い映像を作り上げていた。その洗練されたパフォーマンス映像は、今観ても驚くほど美しい。世界的にもちょっと類を見ないハイレベルな音楽番組である。
 一方、〈ザ・ベストテン〉で披露される歌は原則的に短縮版で、売りだった豪華セットにしても、学芸会を大掛かりにしたようなもので、お世辞にもセンスが良かったとは言えない。但し、そのバラエティ的な趣向ゆえに、音楽ファンに限らず、より幅広い層に親しみやすい番組にはなっていた。良く言えば庶民的、悪く言えば俗っぽい。ランキング、セット、追っかけ中継など、歌以外の要素を売りにしたこの番組は、トークなどをメインに据えた現在の歌番組の走りと言ってもいいかもしれない。

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 そんな〈夜ヒット〉派の私ではあるが、〈ザ・ベストテン〉で〈夜ヒット〉よりも高く評価しているものがひとつだけある。それは、番組オーケストラである。

 現在の歌番組では、歌手が自分のバンドを連れて出演したり、カラオケで歌ったりするケースが多いが、昔は番組に専属オーケストラが付いていて、歌手の後ろで譜面を見ながら生演奏するのが当たり前だった。〈夜ヒット〉の演奏は“ダン池田とニューブリード”、〈ザ・ベストテン〉は(百恵の出演時期に関しては主に)“宮間利之とニューハード”が担当していた。
 ニューブリードは色彩豊かでかなり繊細な演奏をするのだが、場合によっては、線の細さや腰の弱さに物足りなさを感じることもある。一方、ニューハード(New Herd)の演奏は、とにかくハード。バンド全体が一丸となって、歌手を後ろから煽りまくる。中でもリズム・セクションとホーンの切れが素晴らしい。その異様な結束力と覇気に満ちた演奏は、ほとんどJBの'71年パリ公演並である。このバンドは、ヤバい。

 山口百恵「美・サイレント」(夜のヒットスタジオ)
 山口百恵「美・サイレント」(ザ・ベストテン)

 百恵の'79年春のヒット曲「美・サイレント」で、2つの楽団の演奏を聴き較べてもらいたい。違いは歴然としている。ニューハードの演奏は無茶苦茶に熱いのである。このリズム・ギターのファンキーさ、ドラムのフィルインの攻撃性、ブレイク部分の殺人的な切れ味はどうだ。百恵の歌唱のテンションも〈ザ・ベストテン〉の方が高く感じられる。「美・サイレント」はオリジナルのスタジオ版も最高だが、ここではそれとは全く違う魅力を味わうことができる。
 ミックスのセンスやステレオ/モノラルの違い、あるいは単純に好みの問題もあるので、どちらのオケが優れているとは一概に言えないが、ニューハードの演奏が〈ザ・ベストテン〉の肝であるということは間違いなく断言できる。バラエティ色を強く打ち出した〈ザ・ベストテン〉も、歌番組の要である“音”はやはり素晴らしいものだった。今回のDVDボックスは、そうした当時の歌番組ならではの、レコードとは異なるホットな生演奏の数々が聴きものである。

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 このDVD全集はいかにもマニア向けではあるが、これは当時リアルタイムで番組を観ていたファンはもちろん、これから新たに百恵を発見していく音楽ファンにとっても必見だ。
 歌謡曲にとってレコードはもちろん不可欠なメディアだが、ある意味、それより重要だったのはテレビである。当時の一般大衆の大部分は、レコードでもCDでもiPodでもなく、もっぱらテレビで歌を聴いていた。百恵はレコード大賞も取っていないし、曲単位でのレコード売上枚数もそれほど驚異的なものではない。ゆえに、彼女の歌をよく知らない後世の人々には、いまいち当時の彼女の凄さが伝わりにくいように思う。彼女の歌が多くの人々に愛されていた理由、彼女が伝説とまで言われる存在になった理由は、こうしたテレビ出演映像を観ることによって明らかになるはずだ。記録に基づいた評価からは決して浮かび上がらない、伝説の歌姫のリアルな魅力がこのDVDで蘇るだろう。

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'78年2月2日放送「赤い絆」
第5位の桜田淳子のセット上部がゆっくり前方へ倒れ、4位の百恵の赤い階段セットが現れる
こうした派手な演出が〈ザ・ベストテン〉の目玉のひとつだった



 ところで、シャーデー・ブログにもかかわらず、なぜ私が山口百恵で騒でいるのか、という点を最後に改めて説明しておきたい。
 シャーデー・アデュと山口百恵の誕生日はたったの1日違いなのである。アデュが'59年1月16日、百恵が'59年1月17日。アデュが生まれたナイジェリアのイバダンと、百恵が生まれた東京の時差8時間を考えると、両者は限りなく同じ時にこの世に生を受けていることになる。だから、というわけでもないが、私はシャーデーと同時に、山口百恵が好きなのである。シャーデー・ファン、あるいは洋楽ファンに山口百恵の素晴らしさを伝えるために、私はこのブログでしつこく彼女を取り上げたいと思っている。

 シャーデーに似ているアーティストを探しているあなた、今すぐ山口百恵を聴こう。


※現在、私はマイケル・ジャクソンに関する膨大な量の文章を書いている(爆裂しすぎてちっとも終わらない)。このブログは年末にかけて大マイケル祭りになる予定だが、それが終わり次第、再び山口百恵に関するエントリーを書くつもりなので、百恵ファンの人は待ってて欲しい!


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