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Liv Warfield @ Blue Note TOKYO 2015



 リヴ・ウォーフィールドのコンサートを観た。
 
 NPG所属のファンキー・ソウル・ディーヴァ('79年生まれ、イリノイ出身)。プリンスのアルバム『LOTUSFLOW3R』(2009)、『20TEN』(2010)や、'10年以降のツアーにバック・ヴォーカルで参加していた女性で、'14年2月にプリンスをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎えた2ndソロ作『THE UNEXPECTED』をNPGから発表して脚光を浴びた。

 '14年6月に同じくブルーノート東京で来日公演を行ったアンディ・アローの2nd『SUPERCONDUCTOR』(2012)、つい先頃('15年3月23日)、期間限定の無料配信で突如発表されたジュディス・ヒル(MJ『THIS IS IT』のバック・ヴォーカリスト)のデビュー作『BACK IN TIME』など、プリンスが手掛ける最近の女性歌手のアルバムは内容的にどれも当たっている。いずれも生演奏によるオーセンティックな'70年代ファンク路線が基本で、やたら切れ味が鋭い。中でも、ソウルやファンクに加え、サードアイガール作品のような骨太なギター・ロックにも対応するリヴ・ウォーフィールドは、プリンスの雑食性や、近年の彼の方向性に極めて近いサウンドを聴かせる要注目株である。

 プリンスの一押し女性歌手という以外に、シャーデー・ファンにとっては、彼女のバンドにライアン・ウォーターズが参加していることも大きな話題である。'01年からシャーデーのツアーに参加し、「Is It A Crime」で毎回必殺のソロをかまして観客を沸かせるスキンヘッドのあの白人ギタリストだ。'14年1月に公開されたリヴのヴィデオ「Why Do You Lie?」で彼の姿を目にした時、“なんであんたがそこにいるんだ!”と私は激しく驚いた(その後、'14年3月に放映された〈The Arsenio Hall Show〉のプリンス特番でも、やはりリヴのバックでギターを弾く彼の姿が見られた)。シャーデーとプリンスの人脈が繋がったことに私は大きく感動したのだが、確認してみると、彼はプリンスの秘蔵っ子だったテイマー・デイヴィスがNPGを離れて発表したアルバム『MY NAME IS TAMAR』(2011)にも参加していて、これまたビックリ。神出鬼没のライアン・ウォーターズ。シャーデー・ファンは彼の雄姿だけでも観に行く価値十分だ。

 『THE UNEXPECTED』の日本盤も発売されていない時点で急遽実現した今回のリヴ・ウォーフィールド初来日公演。日程発表から実際の公演まで僅か1ヶ月という強行ぶりもプリンス・マナー(なのか?)。彼女たちが見せてくれたのは、こちらの意表を突く、まさしく“UNEXPECTED(想定外)”なショウだった。


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 リヴ・ウォーフィールドの公演は、ブルーノート東京で'15年3月26日〜28日の3日間行われた(各日2公演、計6公演)。私が観たのは2日目、3月27日(金)の2ndステージ。ガラガラなんじゃないかと心配したが、ざっと見た感じ、席は7割程度まで埋まっていた。日本でほぼ無名に近い歌手がブルーノートでいきなり6公演もやってこれだけ客が集まるのだから、プリンスの力は凄い(来日前、ブルーノート東京のHPでは日本の観客に向けたプリンスの挨拶文──“日本のみなさんこんにちは、プリンスです”と始まる──も公開されていた)

 21時30分過ぎ、ショウはほぼ定刻通りにスタート。まずバンド・メンバーたちがステージに上がり、タイトなドラム・ビートのイントロに続いて、ミッドテンポのジャジーでメロウな曲を演奏し始めた。ライアン・ウォーターズの姿をステージ左端に確認して静かに大興奮。間もなく、黒ずくめの衣装に身を包んだ金髪スーパーショートのリヴ・ウォーフィールドが登場。メイシー・グレイ並みにデカい人かと思っていたのだが、実際には結構小柄(と言うほど小さくもないが)で驚いた。

 オープニングは、'14年2月に無料配信されたアルバム未収録曲「Save Me」。ジャジーで翳りのあるネオソウル調のR&Bナンバー。NPG入りしてファンクんロールなプリンス色に染まる前、リヴは『EMBRACE ME』(2006)という1stアルバムを発表していて、そこではもっと純粋にネオソウルっぽい音楽をやっていた。「Save Me」は一応『THE UNEXPECTED』期の産物だが、どちらかと言うと1stでもともと彼女が志向していたサウンドに近く、それをNPGマナーで改めたような感じの曲である。『THE UNEXPECTED』のロッキッシュな方向性と合わないと判断されたのかもしれないが、ものすごく良い曲なので、アルバムから落ちてしまったのが残念。スタジオ版ではジャジーなホーン・アレンジが印象的だが、ライヴでは後半にスティーヴィー・ワンダーのハーモニカを思わせるジャジー&ファンキーな鍵盤ソロが挿入され、ニューソウル的な雰囲気を強く醸し出していた。何となく「Too High」の匂いがする。この冒頭曲のカッコ良さは強烈だった。

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(左から)タロン・ロケット、リヴ、ライアン・ウォーターズ、クリス・ターナー

 “ブラックバード”と名付けられたリヴのバンドは5名。ステージ向かって左から、ライアン・ウォーターズ(ギター)、ユーライア・ダフィ(ベース)、タロン・ロケット(ドラム)、クリス・ターナー(キーボード)、アシュリー・ミニーウェザー(バック・ヴォーカル)の順に並ぶ。アシュリー嬢の前には電子ドラムのパッドがセットしてあり、彼女は多くの曲でこれを叩きながら歌った。海外でのツアーやテレビ出演では、この編成に更に大人数のNPGホーンズ+女性バック・ヴォーカリストがもう1人加わっていたが、今回の来日メンバーはリヴを含めて全6名。分厚いホーンをフィーチャーした「Why Do You Lie?」の印象が強烈だったこともあり、ホーンなしでは厳しいかとも思ったが、蓋を開けてみれば、バンドの演奏はホーン隊の不在をほとんど感じさせない実に迫力溢れるものだった。

 「Save Me」からなだれ込んだのは、アップテンポの軽快なナンバー「Catch Me If You Can」。アルバムではギター・リフを強調した直線的なノリの(スパイ映画風)'60年代ロッキン・ソウルだったが、ライヴではタムタムのスウィング・ビートが引っ張るジャイヴ仕様に大きくアレンジが変更されていた。ノスタルジックなスウィングに乗ってリヴ&アシュリーがジャジーなハーモニーで熱く迫るサウンドは、ほとんどポインター・シスターズ状態。アシュリーはリヴよりも明るいトーンの声で、2人のコンビネーションも良かった。終盤は「Sing, Sing, Sing」になだれ込んで更にヒートアップ(が、ホーンのメロディがなかったため、ちょっと分かりづらかったのが残念。NPGホーンズと組んだ〈Jimmy Kimmel Live!〉でのライヴ・パフォーマンスをチェックしておきたい。スタジオ版アレンジで始まって終盤でスウィング版に変化しているが、今回のショウでは最初からずっとスウィング版だった)

 リヴの軽い挨拶MC(バンドを“ブラックバード”と紹介)に続いて、アルバム表題曲「The Unexpected」が登場。プリンスが書き下ろしたスローテンポのハードなギター・ロック・ナンバーで、新生リヴ・ウォーフィールドの挨拶状的な曲でもある。アルバムでは冒頭に収められ、これがアルバム全体のロッキッシュな方向性を決定づけている。女性ヴォーカル版サードアイガールといった趣のこの曲は、非常にライヴ映えがする。大音量のバンド演奏とリヴの粘り気のあるソウル・マナーのロック・ヴォーカルは迫力満点だ。

 「The Unexpected」のストレートなロック色は人によって好みが分かれるだろうが、これに続いて披露された「Don't Say Much」は、ソウル/R&Bとロックの折衷が見事に決まった名曲。『AS I AM』以降のアリシア・キーズが歌いそうな曲で、個人的にはこのあたりの雰囲気が現在のリヴには最も合っているような気がした。ライヴでは幾分ロック色を強め、アルバムより更に熱くダイナミックに演奏された。シングルにしてもいいくらいの強力な曲だと思う。生で聴いて、この曲はアルバムの中で私の一番のお気に入りになった。

 「Don't Say Much」の後半では、白人ベーシストのユーライア・ダフィによるベース・ソロがフィーチャーされた。“元ホワイトスネイク”というブルーノートHPの紹介を見た時は、正直“?”という感じだったが、調べてみると、彼はホワイトスネイク加入前の'00年代前半にザ・ファミリー・ストーン・エクスペリエンス(スライ抜きの再結成スライ&ザ・ファミリー・ストーン)でベースを弾いていたなかなかファンキーな人だった。クリスティーナ・アギレラ&アリシア・キーズ「Impossible」(2002)や、ゴアペレの1st『CLOSER』(2001)にも参加していたりする(余談だが、ゴアペレも最近リヴと同じ金髪スーパーショートにしている)。「Don't Say Much」での流麗なベース・ソロは、私に「Smooth Operator」の間奏を少し思い出させた。彼はポール・デンマンを饒舌にしたような演奏をする。見た目の雰囲気も似ているが、音楽的なバックグラウンドもかなり近いのではないか。ステージ左側にライアン・ウォーターズとユーライア・ダフィの2人が並んで立ち、黒人ミュージシャンたちと混じって演奏する光景は猛烈にシャーデーっぽい。

 前半最大の山場は次の「Stay "Soul Lifted"」。プリンスの「Shhh」や「Do Me Baby」を思わせる官能的な6/8拍子のスロー。この手のオーセンティックなソウル・バラードにおいても、リヴはやたらメリスマを利かせて変に歌唱力をアピールするようなこともなく、とても素直な歌い方で感情を表現していた。フレーズのひとつひとつがダイレクトに胸に刺さってきて、自然と目頭が熱くなった。強面のルックスに似合わず、かなり繊細な表現力を持つ歌手だということがここではっきり判った。アルバムではサックスがソロをとるが、ライヴでは前奏と間奏でライアン・ウォーターズのギター・ソロをフィーチャー。ジミヘン「Little Wing」のような飛翔感のあるブルージーなソロは、「Is It A Crime」のあの狂おしいソロも彷彿させ、私を更に打ちのめした。途中から涙でステージがよく見えなくなった。どの曲も良かったが、この「Stay "Soul Lifted"」が個人的には最大のハイライト。この熱演には客席からもひときわ大きな喝采が送られた。

 今回のステージでライアン・ウォーターズはいつものテレキャスターではなく、グレッチのレス・ポール型ギターを弾き、シャーデーの時以上にロッキッシュでファンキーな演奏を聴かせた。つばの広い黒ハットを目深に被り、サウンド/ヴィジュアル共に実にプリンスっぽい強烈な存在感を漂わせていた。プリンス譲り(?)のギター顔も最高だ。技術的には決して巧い人だとは思わないが(特にプリンスと較べてしまうと)、彼は曲の情感をストレートに表現するとても良いギタリストだと思う。彼のクールな佇まいに私の目はずっと釘付けだった。

 「Stay "Soul Lifted"」の後、リヴがライアンに話しかけ、オフマイクで何やら打ち合わせ。どうやらセットリストを変えるようだ。しばらくして始まったのは、ライアンのギター・リフを軸にしたアップテンポの切れの良いロッキン・ソウル・ナンバー。公演終了後に確認したセットリストの紙(日付は前日のものだった)に、この正体不明曲は「More Things Change」というタイトルで、アンコール曲の候補のひとつとして記されていた。歌詞の出だしは“I've been workin' so hard〜”で、サビは“More things change, more you stay the same”と歌われる。新曲なのかカヴァーなのか分からないが、これは痛快な曲だった。

 ここでリヴが一旦ステージを去り、残ったメンバーたちがジャム・セッションを開始。セットリストによると、曲名は「Funk Jam」(そのまんま)。ユーライアのチョッパー・ベースに始まり、各人が順にソロを回していく。ライアンは「Kiss」の間奏をなぞった高音カッティングで観客を盛り上げた(さすがにプリンスのような殺人的な切れはなかったが)。'80年代感溢れるファンキーなシンセ・ソロや、豪快なドラム・ソロも最高。プリンスのアフターショウのような熱い一幕だった。

 ジャムが終わると、一人だけソロ・パートがなかったバック・ヴォーカルのアシュリー嬢に出番が回ってきた。低音のパワーコードでブルージーなリフを弾くライアン。ドラムは「We Will Rock You」を低速にしたような単調なビートを刻む。超ヘヴィーなジャンク・ブルースの演奏に乗ってアシュリーが歌ったのは、なんとナールズ・バークレイの「Crazy」。サビに入るまで全く何の曲だか分からなかった。バンドの演奏はほぼワンコードで、原曲の面影は微塵もない。面白いことに、アシュリーの声質はアリス・スミスによく似ていた(アリスの声をもう少し細く可憐にしたような感じ)。アリスと言えば、シーローのカヴァー「Fool For You」。そして、プリンスはアリスの「Another Love」をサードアイガールのアルバムでカヴァーしている。「Crazy」という選曲は、もしかするとアリス・スミスを意識したものだろうか。アシュリーはアリスよりもブチ切れた歌唱で観客を大いに煽った。ライアンのノイジーなギター・ソロもド迫力。アシュリーにはアレンジがいささかヘヴィーすぎたようにも思うが(明らかにリヴ向けのアレンジ)、この「Crazy」は思わぬ聴きものだった。

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 ショウは後半へ。リヴがステージに戻って一通りメンバーを紹介した後、“私のお気に入り曲です”という前振りで、バディ・マイルズのカヴァー「Them Changes」。無茶苦茶にテンションの高い演奏で、まるで「I Want To Take You Higher」(スライと言うよりはアイク&ティナ版)のようになっていた。音圧もすごい。ワウ・ギターのカッティングを模したファンキーな鍵盤リフに乗って、ライアンの豪快なギター・ソロも炸裂。こういうファンク・ロック系の曲をやらせたらリヴは鬼に金棒である。

 そして、熱い音楽ヴィデオでお馴染みの代表曲「Why Do You Lie?」。プリンスの「Funknroll」と共振する重量級のファンク・ロック・ナンバー。分厚いリフはホーン隊の不在によりやや迫力不足だったが、2番でテンポを倍速にしてファンク度を上げるというライヴならではの仕掛けがあり、十分に魅力的なパフォーマンスになっていた。

 続いて畳みかけるように始まった「Blackbird」は、メイシー・グレイの「Kissed It」を彷彿させるシャッフルのロックンロール・ナンバー。バンド名の由来にもなっているこの曲はライアン・ウォーターズの作で、プロデュースも彼が単独で手掛けている。プリンスが書いた「The Unexpected」と共にアルバムのロック色を強く印象づける曲。ライアンは演奏だけでなく、アルバムの多くの曲をリヴと共同プロデュースし、彼女の右腕的存在になっている。最後はテンポアップしてリヴ&アシュリーが鬼のような絶叫ヴォーカルを聴かせ、ステージは大熱狂のうちに締め括られた。ここでショウは一旦終了。

 アンコール。まず、ドラムのタロン・ロケットが一人でステージに戻り、アンコールを求める観客の手拍子に合わせてバスドラを踏んだ。徐々にテンポを落として場内を静まらせた後、おもむろに彼が叩き始めたのは、なんとJB「Funky Drummer」のドラム・ブレイク! 史上最もサンプリングされた(と言われる)クライド・スタブルフィールドのあのビートである。ぬお〜、Ain't it funky(ファンキーじゃん)。人力ループ状態でしばらく叩いた後、様々なシンコペーションでリズムを発展させていく。徐々に手数を増やし、最後は人力ドラムンベース状態に(笑)。くそカッコいい。ファンク系のライヴでドラム・ソロは最高のお楽しみだが、タロンのこのソロは本当に素晴らしかった。これは立派なカヴァーと言っていいだろう。他のメンバーたちも途中からステージに上がり、ドラムセットを囲みながらタロンの熱い演奏を眺めて盛り上がっていた。

 激しいタム回しでドラム・ソロが終了すると同時に、ナイフのように鋭い鬼ファンキーなギター・リフをライアンが弾き始めた。続けざまに激震の横揺れグルーヴが観客を急襲。ルーファス「You Got The Love」! この瞬間のヤバさは思い出しただけでも鳥肌が立つ。“立ち上がってもいいわよ!”というリヴの呼びかけで場内は総立ちに。リヴの豪快なヴォーカルはシャカに勝るとも劣らない迫力。ヴァースをリヴ、ブリッジをアシュリー、サビを2人で歌うという双頭ヴォーカルも熱い。リヴは途中で客席に下り、歌いながら場内をぐるりと一周(一番後ろのカウンター席の通路まで行った!)。その後、客席を左サイドと右サイドに分けてコール&レスポンス合戦を展開。これでもかというくらい観客を盛り上げ、白熱のファンキー・ディーヴァ・ショウは遂に幕となった。さすがNPGの看板女性歌手。事前の予想を大きく上回る約82分の強烈なステージだった。THE UNEXPECTED!

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リヴの1st『EMBRACE ME』(2006)、2nd『THE UNEXPECTED』(2014)

 リヴ・ウォーフィールドは色んな意味でメイシー・グレイに似ている(よく見ると顔立ちも)。今回、彼女のショウを体験して、私は'11年'12年にメイシーのビルボードライブ公演を観た時と同じような感動を受けた(*1)。もちろん声質や歌唱スタイルは異なるが、どちらもプリンスから多大な影響を受け、同じようにソウル、ファンク、ロックを混ぜ合わせた音楽をやっている。『THE UNEXPECTED』は確かにプリンスのイメージが強いが、実はアルバムのソングライティングとプロデュースのほとんどをリヴは自分でやっていて、自作曲の方がプリンスの手掛けた曲よりもずっと魅力的だったりする。プリンスは決してリヴを操っているわけではなく、彼はリヴに導きを与え、彼女の潜在的な可能性を引き出したのだと思う。リヴがメイシーと同じように素晴らしい個性を持ったアーティストであること、そして、NPGを離れても立派にやっていけるに違いないことを、私は今回の堂々としたライヴ・パフォーマンスから強く感じた。NPGにいた方が注目は集めやすいだろうが、私はむしろ彼女が独り立ちした後のアルバムを早くも聴いてみたくなった。

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リヴのサインと一緒に……

 終演後にはリヴのサイン会があった。念のため持参しておいた『THE UNEXPECTED』のCD(*2)に私も記念にサインをもらった。リヴ、顔ちっちゃい!

 で、周囲を見回すと、目と鼻の先にいきなりライアン・ウォーターズがいた。メンバーたちは楽屋に引っ込んでいるのかと思ったら、普通に客席でくつろいでいた。この日、最大のUNEXPECTED! ライアンはステージと同じ黒ハット姿のままだった。リヴのCDにサインを頼むと、気軽に応じてくれた。“シャーデーの大ファンです”と言うと、“そいつはグレイトだ”と言って、わざわざ私に名前を尋ねてくれた。“4年前、日本で待ってたんですよ”と言うと、“ごめん、行きたかったんだけどねえ(Sorry, we were trying!)”とすまなさそうに答えていた。後から思えば、伝えたいことや訊いてみたいことがたくさんあったのだが、緊張のあまり、私には結局、ラスベガスでシャーデーのショウを観た時の感動や、いつかシャーデーと日本に来てほしいという希望を伝えるのがやっとだった(彼は日本で遭遇するシャーデー・ファンの全員から同じことを言われたんじゃないかと思うが)。初めて聞く彼の話し声はとても低く、落ち着いた口調はどことなくプリンスに似ているような気がした。ライアン・ウォーターズはものすごくカッコいい人だった。


(*1)実は'15年1月8日のメイシー・グレイのビルボードライブ公演にも行ったのだが、内容が想定内すぎたため鑑賞記は書いていない。バック・ヴォーカリスト(シェミカ・シークレスト嬢)の不在と、1stアルバム中心の保守的なセットリストが主な残念ポイント。もちろん、パフォーマンス自体は十分に素晴らしかったのだが……。「Ghetto Love」をやってくれたことと、ニーナ・シモン「Be My Husband」のドラムビートに乗って「I Try」を歌い出した瞬間が個人的には大きな興奮ポイントだった。

(*2)『THE UNEXPECTED』は一般的には配信のみで、CDはリヴの公式サイトやライヴ会場でしか買えないが(ブルーノート東京では2,000円で販売されていた)、近いうちに日本盤の発売が予定されているようなので、未入手の方はそれを待っても良いかもしれない。日本盤には是非とも「Save Me」をボーナス収録してもらいたいところ。



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01. Save Me
02. Catch Me If You Can incl. Sing, Sing, Sing [Louis Prima/Benny Goodman cover]
03. The Unexpected
04. Don't Say Much
05. Stay "Soul Lifted"
06. More Things Change
07. Funk Jam feat. Blackbird
08. Crazy [Gnarls Barkley cover] feat. Ashley Minnieweather
09. Them Changes [Jimi Hendrix/Buddy Miles cover]
10. Why Do You Lie?
11. Blackbird
-encore-
12. Funky Drummer [James Brown cover] feat. TaRon Lockett - You Got The Love [Rufus cover]

Live at Blue Note Tokyo, March 27, 2015(2nd show)
Liv Warfield (vocals, tambourine), Blackbird: Ryan Waters (guitar), Uriah Duffy (bass), Chris Turner (keyboards), TaRon Lockett (drums), Ashley Minnieweather (backing vocals, electronic drum pads, tambourine)

Liv Warfield: Japan Tour 2015
March 26 - Blue Note Tokyo (2 shows)
March 27 - Blue Note Tokyo (2 shows)
March 28 - Blue Note Tokyo (2 shows)



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