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Joan Jett and the Blackhearts──いい音楽



 ジョーン・ジェットが好きだ♥
 
 熱心に聴いていたのは遙か昔の高校の頃だが、すっかりロックと疎遠になった今でも、数年に一度──例えば、誰でも周期的にストーンズ漬けになる時があるように(?)──私は突然“ジェット・モード”になってしまう時がある。アルバムはほとんどすべて持っているし、来日公演('92年)にも行ったことがある。彼女がマイケル・J・フォックスと姉弟役で主演したポール・シュレイダー監督作『愛と栄光への日々(Light of Day)』(1987)は、今まで観た中でも十本の指に入るくらい好きな映画だ。音楽への愛を真摯に貫き、同じことを同じ情熱でやり続ける彼女のシンプルな生き方に、私は今も秘かに惚れ続ける。ジョーン・ジェットは美しい。彼女は私にとって永遠のロックンロール・ヒロインだ。

 前々回前回とマーサ&ザ・ヴァンデラスの「Dancing In The Street」を取り上げたが、ジョーン・ジェットにも同じように素晴らしい音楽讃歌がある。'86年に発表された彼女のアルバムの表題曲で、シングルにもなった「Good Music」。色んな人に聴いてもらいたい名曲である。今回はこれを拙訳で紹介する。




 Good Music
 (Joan Jett/Kenny Laguna)
 
 Everyone that I can see is gettin' right in tow
 Changin' songs to be on the radio
 Now there are things that I believe in
 I'd never sell my soul
 It always feels so good to hear good music
 
 まったく誰も彼もが振り回されてるわ
 最新曲を流すのにラジオは大忙し
 あたしには信じるものがある
 絶対に魂なんか売らないわ
 いい音楽さえあれば気分は最高
 
 I need good music, good good music
 It always feels so good to hear good music
 
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 いい音楽さえあれば気分は最高
 
 How could I get back with you when I'm so far from home
 In any port or foreign shore alone?
 So many ways to be betrayed
 Believe me when I say
 I think that I would die without good music
 
 今さらあなたとの距離は埋められないわ
 どこかの港か異国の浜に一人でいる私
 破局は様々なかたちで訪れる
 悪く思わないでほしい
 あたしはいい音楽なしでは生きられないの
 
 I need good music, good good music
 It always feels so good to hear good music
 I need good music, good good music
 I know that I would die without good music
 
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 いい音楽さえあれば気分は最高
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 いい音楽なしでは生きていけない
 
 And even though you might think it's funny
 I couldn't care if there ain't no money
 I'm a little mixed up but I'll be alright
 If I can hear a loud guitar all night
 
 笑われるかもしれないけれど
 お金なんかなくたってあたしはへっちゃら
 ちょっとクサってるけど 大丈夫
 一晩中ラウドなギターを聴けば元気になる
 
 I need good music, good good music
 I need good music
 It always feels so good
 I need good music
 
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 必要なのはいい音楽
 いつだって気分は最高
 必要なのはいい音楽
 
 I need good music, good good music
 It always feels so good to hear good music
 I need good music, good good music
 It always feels so good to hear good music
 
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 いい音楽さえあれば気分は最高
 必要なのはいい音楽 最高の音楽
 いい音楽さえあれば気分は最高
 
 
 このサビの直球ぶりはどうだろう。ジョーンが歌うと本当に感動的だ。聴く度に“そうだ、その通りだ”と思い、私はちょっと涙ぐんでしまう。別にロックンロールというジャンルに限った歌ではない。この曲を聴いてグッと来ない音楽ファンなどいるだろうか。

 「Good Music」にはダーレン・ラヴとビーチ・ボーイズのメンバーたち(ブライアン・ウィルソン以外の4人)がバック・ヴォーカルで参加し、素晴らしい歌声を添えている。また、曲の随所に往年の“グッド・ミュージック”へのオマージュ──フォー・シーズンズ「Rag Doll」、ボ・ディドリーのジャングル・ビート、サーファリズ「Wipe Out」等の引用──が散りばめられているのも聴きどころだ。歌詞だけでなく、この曲はサウンド面も音楽愛に溢れている(残念ながら、音楽ヴィデオ──歌詞の内容をそのままドラマ化──では、次々と古典の引用が飛び出す終盤部分がフェイドアウトでカットされている)


Good_Music02.jpg
GOOD MUSIC
LP: CBS Associated/Blackheart Records BFZ 40544, December 1986 (US)
CD: CBS Associated/Blackheart Records ZK 40544, December 1986 (US)


Side 1: Good Music / This Means War / Roadrunner / If Ya Want My Luv / Fun, Fun, Fun
Side 2: Black Leather / Outlaw / Just Lust / You Got Me Floatin' / Contact

Produced by Ken Laguna, Thom Panunzio; except "If Ya Want My Luv" and "You Got Me Floatin'" by Mark S. Berry, Thom Panunzio, Ken Laguna, "Black Leather" by Larry Smith, Reggie Griffin, Thom Panunzio, Ken Laguna

 同曲を収録したジョーンの5thアルバム『GOOD MUSIC』も素晴らしい。MCAからCBSに移籍した第一作目で、ストレートなロックンロール路線に変わりはないが、それまで以上にサウンドに幅が出て、良い意味でポップで聴きやすい作品に仕上がっている。ダーレン・ラヴとビーチ・ボーイズ参加の表題曲と並ぶアルバムの最大の聴きものは、グランドマスター・フラッシュ&ザ・フューリアス・ファイヴのスコーピオが参加したジェット流ラップ・ソング「Black Leather」。ラリー・スミス(Def Jam)を共同プロデューサーに迎え、ランDMC+エアロスミス「Walk This Way」に返答したかのようなこの曲は、とにかく最高のひとことに尽きる(ハンドクラップ音が炸裂するデモ版──レア・トラック集『FLASHBACK』収録──は更にヤバい!)。映画『愛と栄光への日々』にも使われた「This Means War」、ラナ・デル・レイ作品などを手掛けて現在も活躍するリック・ノウェルズ(スティーヴィー・ニックス作品やベリンダ・カーライル「Heaven Is A Place On Earth」の作者)が共作した「Just Lust」他、オリジナル楽曲はどれも粒揃いだし、お得意のカヴァー3曲(モダン・ラヴァーズ、ビーチ・ボーイズ、ジミ・ヘンドリクス)も快調。デズモンド・チャイルドをライター/制作に迎え、当時のハードロック流行りに呼応した次作『UP YOUR ALLEY』(1988)以降も良いが、初期の荒削りでチープなサウンドとのちょうど中間に位置するこのアルバムには、ジョーンの魅力が凝縮されているように思う。ジャケットもカッコ良く、幅広い音楽ファンに推薦できるアルバムだ。

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