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Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 7)



 '11年9月3日(土)、夜。
 シャーデーを観る2泊4日のラスベガス一人ツアーもいよいよ大詰めである。
 
 シャーデーのコンサートは、ラスベガスのストリップ南部にある世界最大級の巨大ホテル、MGMグランドのアリーナで行われる。前座はジョン・レジェンド。午後8時開演。空がうっすらと赤く染まった午後7時過ぎ、私はトロピカーナ通りにあるモーテルを出て、シャーデーが待つMGMグランドへ向かった。


MGM GRAND GARDEN ARENA

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MGMグランド・ガーデン・アリーナの入口(9月3日午後2時13分撮影)

 ここでちょっとプレイバック。コンサート当日の9月3日の昼間、私がベネチアン・ホテルのマダム・タッソー館を訪れたことは前回書いた通りだが、実はその前に、私はMGMグランド・ガーデン・アリーナに立ち寄っていた。

 MGMグランドには前日に既に何度か訪れているが、コンサート会場であるグランド・ガーデン・アリーナにはまだ行っていなかった。昼間に会場に行ったことには、事前に場所を確認しておきたかったこともあるが、それ以上に重要な目的があった。
 公演当日の昼間の時点で、私はまだ肝心のコンサート・チケットを持っていなかった。チケットは6月初旬にTicketmasterで購入したが、現物は現地の会場窓口で受け取ることになっていたのである(国外のチケット購入者はこの受け取り方法しか選択できない)。ネットで海外コンサートのチケットを購入し、現地でそれを受け取るという経験が過去になかったため、私は不安だった。きちんと確認メールも来たし、クレジットカードの明細書でもチケット代が引き落とされていたので、購入できていることは間違いなかったのだが、とにかく実際にチケットを手にするまでは落ち着かない。開演直前に会場窓口に行って、“あなたなんか知りません”と言われたらどうしよう、とか、そういうことばかり考えてしまう。ここまで来てコンサートが観られなかったら発狂ものだ。当日、私はまずチケットを取りに行くことにした。

 前日はMGMグランド内で見事に迷子になったが、2日目になると館内の大体の構造が分かるようになっていた。天井に下がっている案内を確認しながらグランド・ガーデン・アリーナを目指す。ホテル内にはシャーデーのコンサートの告知が色々な場所にあり、アリーナ付近のエリアでは「Is It A Crime」がBGMで流れていた(ガオ~!)。

 グランド・ガーデン・アリーナは、MGMグランド1階の外れの方にあった。独立した建物というわけではなく、アリーナは完全にホテルの内部にあるのだ。私が行った午後2時頃、入口周辺には誰もおらず、中に会場関係者の姿が1~2人見える程度だった。シーンと静まり返った入口を眺めて、私はあることに気付いた。観客が通過する入場口のすべてに金属探知機が設置されているのだ。ギョギョッ。実は、私はカメラの他に、録音機も会場内に持ち込むつもりでいた(記録できるものは何でもしておきたかった)。荷物検査のことは考えていたが、まさか金属探知機まであるとは……。さすがアメリカ。これは想定外だった。この入場ゲートを一体どう突破すればいいのか。夜までに何か対策を練らねばならないだろう。

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MGMグランド・ガーデン・アリーナのチケット窓口

 アリーナの入口付近には肝心の窓口がなかった。猛烈に焦ったが、キョロキョロすると天井の館内案内に“Box Office”の文字があった。これっぽい。矢印の方向へ少し歩いていくと、“Grand Garden Arena Tickets”という窓口を発見。ここでチケットを受け取るに違いない。

 ネットで購入したチケットを会場窓口で受け取るには、自分がチケットを購入した本人であることを証明しなければならない。本人確認は、写真入り身分証(パスポート)、チケット購入時に使用したクレジットカード、チケット予約番号の3点で行う。並んで順番を待っていると、若くて可愛い黒人女性係員に“次の方どうぞ”と呼ばれた(ドキドキ)。“ハロー、インターネットでチケットを買ったのですが……”と言うと、身分証の提示を求められた。“今夜のシャーデーですね?”と言いながらパスポートの氏名の綴りを確認し、カウンターの後ろへ下がると、アルファベット順に整理されているらしい救急箱のような小箱の中から既に発券済みの私のチケットを出してくれた。私にチケットを見せながら、公演名、座席、開場・開演時間などを説明する。8時開演ということは事前に分かっていたが、6時30分という開場時間はここで初めて知った。日本では開場時間も事前に告知されているのが普通なので、これはちょっと新鮮だった(チケットにも開場時間までは記されていない)。
 チケットの受け取りは超簡単だった。パスポートを提示しただけで、あっという間にチケットが出てきた。私の心配は一体何だったのか(場所によってはクレジットカードや予約番号の提示も求められる可能性があるので、3点はすべて用意しておくべきである。これは飽くまでこの時の私の場合の話である)。

 窓口の横で改めてチケットを確認する。日本と同じように、細長い封筒にチケットとチケット明細が入っていた。チケットはシャーデー用にデザインされたものではなく、文字情報だけが印刷されたTicketmasterのごく普通のものである。“SADE LIVE IN CONCERT MGM GRAND GARDEN ARENA”。座席番号にも間違いはなかった。確かに私のチケットだ。自分がシャーデーのコンサートを観られるということを、私はこの時初めて実感した。どっと喜びが込み上げてきて、その場でカズダンスを踊りたい気分だった。


IN THE GARDEN

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MGMグランド内、天井でぐるぐる回るシャーデーのコンサート告知

 夕方にマダム・タッソーから戻り、モーテルでしばらく休んだ後、開演1時間前の午後7時過ぎ、私は改めてMGMグランド・ガーデン・アリーナに向かった。私のラスベガス旅行の最大のメイン・イベントがいよいよ始まる。

 ホテル内を歩いていくと、BGMで今度は「The Sweetest Taboo」が流れていた。いやが上にもテンションが上がる。昼間来た時とは違い、アリーナ付近には多くの人が集まっていた。人混みの中には“Tickets, Tickets”と言いながら歩いているダフ屋もいた。入口の少し手前の通路の真ん中でツアーパンフが売られていたので、早速購入。1部25ドル。ツアーパンフが存在することはもちろん、パンフの中身や値段も私は事前に知っていた。これがずっと欲しかったのだ。50ドルで2部をゲット。

 いよいよ入場である。片手に鞄を持ち、脇にパンフ2冊を挟んでチケットを手にし、例の金属探知機がある入場ゲートに向かった。私のすぐ隣りで、中年の白人女性が探知機に引っ掛かっていた。やっぱり飾りじゃないのだ、探知機は。係員に促され、恐る恐るゲートをくぐる。……探知機は無反応だった。やったぜ! 脅かしやがって。へへ~ん。どうやら空港にあるやつとは感度が違うようだ。安心して先へ進もうとしたその時、微妙にローリン・ヒル似の超可愛い黒人女性係員に呼び止められた。ドキッ! 鞄の中を見せてくれ、と言う。ミネラルウォーターのボトル1本、ガイドブック1冊、煙草数箱、洗面用具のポーチしか入っていない鞄の中を軽く覗き込むと、彼女は“iPadは持ってますか?”と私に訊ねた。“iPod?”。“いえ、iPadです”。その時、軽く気が動転していた私は“iPad”が何のことだかすぐに分からなかった。後ろで順番を待っていた白人女性から“大きいやつよ”と言われて、やっと分かった。“オ~、イエス、イエス、iPad! ……持ってません”。“あ、そう”と言われ、ようやく通ることができた。セーフ、セーフ。まったく、冷や冷やさせるぜ……。

 金属探知機のゲートを通過した先に、今度はチケットを提示するゲートがあった。日本のようにチケットを手でちぎって半券にするのではなく、チケットに印刷されているバーコードを機械で読み取るという、なかなか小洒落た確認方法だった。そして、めでたく入場。やった! これで全面クリア! チケットの購入、航空券や宿の手配、東京からラスベガスまでの約9000kmの旅路……すべてを乗り越え、私は遂に最終目的地、シャーデーが待つ“神殿”に到達した。

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これがシャーデーのコンサート会場だ!──正面スタンド上段からの眺め(午後7時26分撮影)

 中へ入ると、観客席へ通じるゲートが並ぶ広い通路状のロビーが左右に広がっていた。私はとにかく会場を見てみたいと思い、すぐ目の前の適当なゲートから場内に入ってみた。そこはちょうどステージ正面のスタンド席だった。おお~。広いことは広いが、あまり広すぎない、いい感じの空間である。1階からそのまま入ってスタンド席の上段に出るということは、会場全体が半分地下に潜っているということなのだろう。ステージ両脇のサブスクリーンには『THE ULTIMATE COLLECTION』のシャーデーの顔写真がそれぞれ対象に映し出され、天井付近には広告がいくつも輝いていた。開演30分前の時点で席はまだほとんど埋まっていない。場内には青緑色のジャケット(座席の色と同じ)を着て黒い蝶ネクタイをした係員が大勢いて、観客を案内していた。MGMグランドともなると、案内係の格好もきちんとしている。場内を眺めていると“お席に案内しましょうか”と声を掛けられたので、“大丈夫です”と答え、またロビーに戻った。私の席は全然違う場所なのだ。

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ツアー・グッズ売場

 ロビーではツアー・グッズが販売されていた。パンフレットの他、シャーデーの写真やロゴが印刷されたTシャツ、パーカー、バッグ、ポスターなどが売られている。シャーデーが花を目に当てている「Babyfather」の黒いTシャツ(35ドル)がカッコいい。どんなグッズが売られているかは事前にネットで確認済みで、私はパンフ以外に何も買うつもりはなかったので、ここでは簡単に写真を撮るだけだった。後日、“SADE SOLDIER OF LOVE”というロゴ入りの黒いパーカー(75ドル/一番右端に陳列されている)をトニー・モムレルが着ている写真をネットで見て、ちょっと欲しくなってしまったが……(後になって思えば、スロットマシンですった110ドルはここで使うべきだった)。

 25ドルのパンフレットはかなり豪華である。表紙はツアー広告にも使われている横向きの戦士ルックのアデュ(背景が白く抜かれていない元の写真。裏表紙は「Soldier Of Love」ヴィデオの馬に跨る美麗アデュ)で、冒頭に簡単な解説とアデュのメッセージ、最終ページにツアー・スタッフのクレジットがある以外はすべて写真。ほとんど写真集と考えた方が良い。お馴染みのプロモ写真もあるが、初めて見るレアなショットもかなり含まれている(最後にメンバー9人全員の幼少時代の写真が掲載されているのが面白い)。個人的には、スクリーン映像の制作スタッフやトラックの運転手まで記載された詳細なクレジットが嬉しい。表紙の“SADE WORLD TOUR 2011”の銀文字がエンボス加工になっているなど、デザインや作りも結構しっかりしている。縦33cm、横23.5cm。全50ページの豪華シャーデー写真集である。私の宝物がまたひとつ増えた。

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 これは9月3日のシャーデー公演におけるMGMグランド・ガーデン・アリーナの座席表である。セクション12、S列、10番というのが私の席だった。ステージに向かって右側のスタンド下段、前から19列目である。3ランクある一般席種の中で最上のもので、値段は157.5ドル。但し、手数料などを含めた合計請求額は180.45ドルだった(高っ!)。高いことは高いが、その下のランクが105ドルと52.5ドルなので、日本のようにS席、A席、B席でそれぞれ2000円くらいしか変わらないのに較べれば、かなり良心的な値段設定という気もする。席は遠くても、52.5ドルでシャーデーが観られるのだからすごい。リッチな人もそうでない人も、誰でもコンサートに行けるというのが良い(私はリッチでもないのにリッチな席を買ってしまったが……)。ちなみに、同じ北米ツアーでも公演によってチケット代には多少の差がある。

 6月初旬に初めてTicketmasterで残り座席をチェックした時、157.5ドルの席で“Floor Level(アリーナ席)”を選択すると、セクションAの21列目が出てきた(セクションの後ろから4列目。微妙に遠い)。行くか行くまいか1週間ほど悩んでいるうちにこの席はなくなり、アリーナ席はセクションDの後方しか取れなくなってしまった。アリーナ席は前方なら良いが、後方になるとステージがかなり見にくくなる。“Lower Level(スタンド席下段)”を選択すると、セクション12の19列目が出てきた。これは最初にチェックした時からずっと残っている席だった。結局、私はこれで手を打った。ステージ全体を45度の角度から見渡せるスタンド下段がベストだと思っていたので、これには特に不満はなかった(セクション14~15の最前列付近だと文句なしなのだが……チケットを取るのが遅かったので仕方ない)。

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私の席からの眺め(午後7時32分撮影)

 会場で実際に自分の席に着いて、私は驚いた。ヤバい。結構近い。ステージは座席表から想像していたほど遠くなかった。座席表では19列目のどの位置かよく分からなかったが、行ってみると、私の席は列の一番左端の通路側だった。角度も悪くないし、なかなかの良席ではないか。
 上の写真は、開演30分前に私の席から会場の様子をズームなしで撮影したものである。私の視界はこんな感じだった。写真下段は、私から見て会場の右側(ステージ)、正面(客席中央)、左側(客席後方)を撮った3枚の写真を合体させてパノラマにしたものである。写真の繋ぎ目に不自然なところがあるが、会場の規模や雰囲気はこれで大体分かってもらえると思う(クリックで拡大可)。

 実際にステージを目にしてもうひとつ驚いたのは、その大きさ、というか、小ささである。コンサートの様子はYouTubeで散々見ていたが、映像から受ける印象ほど大きくない。最初、ラスベガス公演のステージは縮小版なのかと思ったくらいだ。私は無意識にスタジアム級の会場に組まれるようなステージの規模を想像してしまっていたようだ。実際に会場で見ると、かなりコンパクトな印象を受ける。

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'01年、MGMグランドのバックステージでのメンバー(『Lovers Live』より)

 MGMグランド・ガーデン・アリーナは約1万7千人を収容する。ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデン(約2万人収容)を参考に設計された多目的アリーナで、日本で言うとちょうど横浜アリーナの規模に相当する。ここでは多くの有名アーティストのコンサートやスポーツの試合が行われている。かつてマイク・タイソンがホリフィールドの右耳を噛みちぎったのもこの会場だ。

 シャーデーは前回ツアーでもMGMグランド・ガーデン・アリーナで公演している('01年7月27日と9月15日の2回。DVD『Lovers Live』特典映像の“The Band Walking”では、MGMグランドのバックステージでのメンバーの様子が見られる)。彼らにとってこのアリーナのステージに立つのは、丸10年ぶり、3度目となる。今回のツアーでは、ここと似たような収容人数1万~2万人クラスの大型アリーナが会場に選ばれている。大掛かりな演出が可能であると同時に、観客との親密さもそれなりに保てる程良い広さだと思う。

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ジョン・レジェンドのセットが組まれた開演前のステージ(午後7時48分撮影)

 ステージには既に前座のジョン・レジェンド用のセットが組まれていた。前方に機材が設置され、ステージの真ん中あたりに天井からキラキラしたすだれのような飾りが幕のように垂れ下がっている。レジェンドのセットでは、ステージの手前半分のスペースだけが使われるのだ。

 これは帰国後に写真を見て気付いたことだが、アリーナ席の前から10列以内の座席の背に、一定間隔で白い張り紙が貼られている。これは一体何なのか。会場にいた時、私は迂闊にもこの白い紙に全く注意が行かなかった。拡大画像で見てもらえると分かるが、そこには10行ほどの文章が書かれている。当然、アリーナ席前方の観客に向けたメッセージだろう。一体、何が書かれているのか。
 帰国後に分かったことだが、実はこの9月3日のラスベガス公演は、将来リリースされるツアーのライヴDVD用に撮影が行われていたようなのだ。収録されたと思われるのは、8月30日~9月7日に行われた北米ツアー終盤の6公演である(この期間の公演はそれと関係してショウの演出のごく一部に変更があった。後述するが、私はラスベガス公演で初めてこの変更点を知り、非常に驚いた)。9月7日のオースティン公演を観たあるファンの報告によると、開演前に観客に対して、ショウが撮影されるため「Jezebel」演奏時に着席したままでいることを求める説明があったという。ラスベガス公演でそのようなアナウンスはなかったが、もしかすると、アリーナ席前方の張り紙には、それと同じような、撮影と関連した何かしらの“お願い”が書かれていたのではないか(例えば、カメラのフラッシュを焚かないでくれ、とか)。
 これは飽くまで推測である。私はいまだこの張り紙の正体を知らない。会場でこれに注目していれば、終演後にアリーナ席へ行って文面を確認することもできたのだが……。自分の注意力不足が悔やまれる。ずっと会場を眺めていながら、こんな奇妙な点に気付かないとは。私は余程舞い上がっていたのだろう。

 開演を待っている間、録音機の準備をするために一度トイレへ行った。私がアメリカで公衆トイレの個室に入ったのはこの時が初めてだった。アメリカの公衆トイレの個室は、ご存じの通り、日本のように密室状態になっていない。扉も壁も膝あたりの高さまで大きく空いている。習慣の違いとはいえ、こんな状態でウン○ができるアメリカ人の神経が信じられなかった(和式トイレに較べたら驚くには当たらないことかもしれないが)。
 トイレから戻る際、案内係の女性に喫煙所の有無を訊ねてみた。“ノ~。吸えるのはカジノか外だけよ”。何てバカなことを訊くんだ、という感じで、当たり前のようにそう言い切られた。予想はついていたが……。アメリカではとにかくそういうことらしい。

 客の入りは異様に遅かった。予定開演時刻は8時である。7時48分に撮った上の写真からも分かると思うが、開演10分前の時点で席はまだ半分も埋まっていない。私がチケットを取った6月初旬、ラスベガス公演は他の公演に較べるとまだかなり席に余裕があったし、公演までひと月を切った8月には、Ticketmasterがラスベガス公演のチケット・プレゼントをやっていたりもした。砂漠の中にある観光地なので、他の普通の都市の公演に較べると逆に売れ行きは良くなかったのかもしれない。最終的に席はほとんど埋まるのだが、この客の入りの遅さは、見ていてちょっと心配になるほどだった。

 前座の公演は大抵定刻通りに行われるものだが、8時になっても始まる気配はなかった。8時を回っても観客はのんびりと入場を続けている。みんなジョン・レジェンドに興味はないのだろうか?
 10年前のシャーデーの北米ツアーではデビュー間もないインディア・アリーが前座を務めたが、レジェンドは既にアルバムを4枚も出し、グラミー受賞経験もある立派なキャリアを持つヘッドライナー級の大物アーティストである。仮にシャーデーが来日公演を行い、前座がジョン・レジェンドだったら、みんな有り難がってレジェンドも観るはずである。私は決して彼の熱烈なファンというわけではないが、それでも、観られるのであれば積極的に観たいと思う(一応、アルバムはすべて持っているし、来日公演にも行ったことがあるくらいのファンではある)。ところが、アメリカの観客──少なくともラスベガスの観客──にとって、レジェンドは飽くまで単なる“前座”に過ぎないようなのだ。シャーデーの登場時間を予測して遅めに会場にやって来る観客が実に多い。開演までに満席になると思っていたので、これにはとても驚いた。レジェンド、大丈夫なのか……。

 定刻をちょうど10分過ぎた午後8時10分、6割ほど席が埋まった場内がにわかに暗くなった。遂に開演である。私は“伝説”の目撃者となった。

(続く)


※写真はすべて筆者撮影(クリックで拡大可)

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