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Your Love Is King [single]

Epic_A4137.jpg
YOUR LOVE IS KING
7": Epic A4137, 25 February 1984 (UK)
Side 1: Your Love Is King
Side 2: Love Affair With Life [Recorded Live]*

Epic_TA4137.jpg
12": Epic TA4137, 25 February 1984 (UK)
Side 1: Your Love Is King
Side 2: Smooth Operator / Snake Bite / Love Affair With Life [Recorded Live]*

* written by Adu; arranged by St. John
Photography: Chris Roberts

UK chart: #6


 『DIAMOND LIFE』の5ヶ月前に発売されたシャーデーの記念すべきデビュー盤。
 シャーデー公式サイト(『LOVERS ROCK』期の旧版)では発売日が'84年2月25日とされていたが、一週間前の2月18日に全英チャート初登場(82位)の記録が確認できる。6週間かけてじわじわと上昇し、3月31日に最高6位を記録。その後、7週間かけて再びじわじわと下降し、5月26日の85位が最後の記録となっている。シャーデーの全シングルの中でも、この息の長さはダントツ。ちなみに、イギリスで最高位を記録した彼らのシングルというのも、結局はこれだったりする。

 まず、ジャケが良い。PV同様、曲名に掛けたキングのカードを持つシックなアデュ。垂直に立っている写真を傾け、余白にタイトルを入れたレイアウトが決まっている。'80年代のシャーデーのカヴァー・デザインは一貫してグレアム・スミスが手掛けているが、彼の仕事はセカンド・シングル「When Am I Going To Make A Living」からで、このシングルのみ、画面を分割して写真とタイポを配置するジャズ・レコード風のデザインとは趣が異なる(デザイナー不明)。どうということはないデザインだが、単純に写真の良さを生かす素直な使い方をしていて、初期シャーデーのレコード・カヴァーの中では私はこれが一番好きだ。シャーデーのシングルの中で、7インチと12インチで違う写真が使われているのもこれだけ。ファンは両方ゲットしておきたいところである。

 表題曲は、7インチが短縮版、12インチがアルバム版。
 短縮版でカットされているのは、“Never letting go / Never gonna give it up”とアドリブ風に歌われる終盤の8小節(繋ぎ目は“Touch me”と“I'm coming”の間)。リマスター『DIAMOND LIFE』(および、ベスト盤、ヴィデオ)の「Your Love Is King」にはこの短縮版が採用されている。'00年の『DIAMOND LIFE』リマスター再発の際、英米盤共に「Your Love Is King」が短縮版に差し替えられた理由は謎である。終盤の8小節がない方が曲の締まりは確かに良いのだが、それはそれとして、基本的にリマスターはオリジナルの形を保ちながら純粋に音質の向上だけを図るべきものだと思うので、これは少々残念だ。

 B面の「Smooth Operator」は後にアルバム収録されるオリジナル録音版だが(『DIAMOND LIFE』アメリカ盤収録「Smooth Operator」は再録シングル版)、ここではフェイドアウトせずに完奏され、メドレーでインスト曲「Snake Bite」へ繋がる。
 「Snake Bite」は、スチュアート・マシューマンの熱いブロウをフィーチャーしたアップ・テンポの4ビート・ナンバーで、いかにもシャーデー流フェイク・ジャズといった趣の小品。この曲はもともと、スチュアート・マシューマン(サックス)、ポール・デンマン(ベース)、ポール・クック(ドラム)によって組まれたPSPというバンドのレパートリーだった(PSPもシャーデーと同じく、その母体であるラテン・ファンク・バンド、プライドのステージにおける出し物のひとつとして結成されたバンド内バンド)。スリーヴのクレジットを見ると、「Smooth Operator」がAdu/St. John作、「Snake Bite」は記載なしだが、レーベル面を見ると2曲まとめてAdu/St. John/Matthewman作となっている。これだと、おまけとして「Snake Bite」がマシューマンによって書き加えられたように取れるが、こうしたクレジットを巡っては、作編曲に貢献しているポール・クックが不当であるとしつこく主張している。

 '84年ツアーのステージで本編最後を飾っていたのがこの「Smooth Operator」~「Snake Bite」メドレーだったが、その時アンコールで演奏されたのが、続いてB面収録されている「Love Affair With Life」だった。ピアノとサックスのみをバックにした静かなスロー・バラードで、“私はあなたの玩具じゃない。私を玩ばないで”と恋の終わりの心情が切々と歌われる。

 デビュー盤だけあってさすがに気合いの入ったシングルだ。A面に必殺ソウル・ナンバー「Your Love Is King」、B面にラテン調の人気レパートリー「Smooth Operator」、続けてダンサブルなインスト・ジャズ「Snake Bite」、そして最後をジャズ調のスロー「Love Affair With Life」で締めくくる。当時のシャーデーの持ち札を一気に披露するようなショウケース的内容で、デビュー盤としては文句のつけようがない出来だ。ジャケを見ながら聴いていると、次々と色んなカードが飛び出してくるようで楽しい。ジャズの再発見に湧いていた当時のイギリスのクラブ・シーンの活気が伝わってくるような名盤。この時、シャーデーのその後のポテンシャルを想像できた人間は一体どれくらいいただろうか。


Epic_A4137_poster1.jpg
7": Epic A4137 (poster sleeve)

 「Your Love Is King」7インチには限定版ポスター仕様も存在する(型番は通常版と同じEpic A4137)。スリーヴがそのまま折り畳みポスターで、広げると6倍の大きさになり、裏面にカードをばらまく白いブラウス姿のアデュが登場する。恐らくカヴァー写真と同セッションで撮影されたもので、上着を脱いだ状態がこれなのだろう。左手にはやはりキングのカードを持っている。ちょっといい感じの写真。

Epic_A4137_poster2.jpg
Limited edition - free poster


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7": Portrait 37 05408, 22 June 1985 (US)
Side 1: Your Love Is King (3:39)
Side 2: Love Affair With Life [Recorded Live] (4:35)

Photography: Toshi Yajima

US chart: #54
US R&B chart: #35
US Adult Contemporary chart: #8


 シングル「Your Love Is King」は、アメリカ発売の際にトシ矢嶋撮影の写真を使ったカヴァーに変更されている(クレジットはないが、デザインは間違いなくグレアム・スミス)。日本盤も7インチ(Epic/Sony 07 5P-368)、12インチ(Epic/Sony 12 3P-650)共にこのデザインで'85年8月25日に発売された(12インチは“SADE”のロゴの位置が違う)。7インチの収録曲に変更はないが、日本盤12インチには「Love Affair With Life」が未収録。日本のファンは「Love Affair With Life」と「Smooth Operator」~「Snake Bite」メドレーを入手するために、7インチと12インチを両方買わなければならなかったということになる。
 尚、アメリカ盤12インチに関してはネット上にも情報がない(ただし、両面にエディット違いの表題曲を収録した2曲入りプロモ盤12インチは存在する)。もしかすると、アメリカでは7インチのみの発売で、このジャケットの12インチが発売されたのは日本だけだったのかもしれない。

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